あかんたれブルース

継続はチカラかな

片手落ちなアイデア

タカになりたい(2)


ゲド戦記』のもうひとつのテーマは
永遠の命でしたね。
人間の大きな欲望のひとつなんでしょう
作品のなかでは懸命にそれを説得してましたが
わたしにはそんなに執着することなのかと
あまりピンとこない。
不死というよりも、不老、永遠の若さ
ということか、またそれに付随する
様々な「喪失感」なんでしょうねえ。
ま、はやい話がいつまでもあると思うな
親と若さと健康ともろもろ
なんでしょう。

この永遠の命っていう宿題には
映画『ベルリン天使の詩』という作品が
非常に参考になるというか、モロずばり
だと思う。わからない人興味のある人は
調べてみたらよいよ。レンタル屋にもあるし。

まあねえ、若い頃はそんな先のことなんて
考えもしないし、すべてが永遠で無限に
思えたものです。

同年齢でわたしを入れて三人の男が
たぶん同じ時期ぐらいでしょうねえ
四十代前半で糖尿病になったと。
一人は自殺しちゃったよ。高校の同級生。
もう一人はそれがもとでうつ病になったそうで
回復したといってたけど、一昨年の秋に
再発して、大暴走。
ありゃあ酷いことになってるね。
本人以上に家族は大変だ。

そういう人たちからすれば
わたしなんか太平楽なんでしょう。
死んだ同級生がいつもそういってたよ。

わたしだってそりゃショックでしたよ。
これから一山二山掘り当てようという
これからってときの
男盛りの四十五十代がそれじゃあねえ・・・
忘れた頃にやれ合併症だなんだと
追い討ちをかけるわけだし。

楽天家というよりも
なんかどうでもいいところがある。
どうでもいいわけじゃないんだけど
なんかね、しょうがないじゃない。
最終的にはそんな感じ。
だから『ゲド戦記』で永遠の命への執着が
ピンとこないのかもね。

特に主人公は生きる事に苦しんでる
それなのに生きる事に執着する。
人間ってものは不思議なものです。
これってアニメ、作りものだからじゃないよ。

ヒロさんて人も酷い欝でねえ
それがもっと酷くなって6年ぐらい前かな
それこそ死ぬ死ぬって大変でした。
「なんでそんなに苦しいの?」
と聞いたら
「死ぬのが怖い」だって。
なんか落語みたいな話ですがマジですからね。
あの人も毎日凄い量の薬を飲んでなあ
いまだったら絶対に量を減らせとアドバイスした
でしょうが当時はそんなことまでわからないし
言えないよね。専門家じゃないし
まあ本人も聞かないだろけど
薬に依存してたよね。
かおりくんと同期生ぐらいだった。
ふたりともいなくなった

ゲド戦記』でいうように
死があるから生が輝く
価値があるわけなんですが
とは別に私見ですが
「死は裏切らない」
これはまたこれで救いでもある。

まったく話は変わりますが
最近とみに喧しい靖国問題それの
A級戦犯について
対して
「日本には死んだら神(仏のことね)になる」
という説得論法がある。
ま、日本人じゃないとか原則論者は
聞きませんけどね。
でもさ、死について、生死観については
万国共通の普遍的な問題じゃないのかな
たとえ宗教が違っても。

(戦後の)日本人はよく平等とか民主主義を
履き違えてると指摘されていますが
戦後の我々日本人はこの生死観というものを
履き違えてるというか、
生きる事ばかりに気が入りすぎて
死について考えていない手抜かりがあると
わたしは、思うよ。
迂闊だと思う。
法だけで解釈しようたって割り切れるものじゃない。
また、A級戦犯東条英機という考えじゃなくて
広田弘毅だって入ってるわけだし
収監前に自殺した近衛文麿のこと
(皇族なので死刑にはならなかったかもしれないが)
とか考えあわせて、
もっと別な角度から考えてみたらどうでしょう。

それは政教分離だっていってぐじゃぐじゃいう
仏教界が率先してやるべきだとも思う。
しっかりしろよ坊主ども!

オリンピックであれほどのプレゼンが
できたんだから、そういうことをよく
国民全体で考えてみて
世界に発信してみるのも意義あるんじゃない。
それもまたクールジャパンだと思うけどね。
すこしは風通しもよくなるんじゃないかな。
ま、私見ですけどね。

なに? 片手落ちは差別用語だあ?
ツッコミ処は
そこじゃないだろう(涙)