あかんたれブルース

継続はチカラかな

よろ式 哀愁の福音

愛する技術という発想(19)


恋愛の寿命を握る秘密についてです。
人間の恋愛寿命は三年だといわれている。
後はおおかた倦怠と義務と嫌悪と確執・・・破綻
なんとも虚しい話だなあ。

しかし、この秘密の探求ってなんでしょうねえ。
ラブラブの頃は相手のことをもっと知りたいと
昼も夜も・・・傍にいたい
肌を重ねたい・・・男と女の秘密
それを秘め事ともいうので、仮にわかりやすく
セックスとしてみます。
三年で飽きる象徴の(  )にセックスを当てはめてみる
これでだいたい7割の人が納得してくれるかも

でもさ、飽きるには精神的なものも大きいんじゃない?
たとえ肉体的なものの比率が高くても
それならば、と
遠距離恋愛はどうだ。
これが障害になって別れるカップルは多いよね。
仁義なき戦い 広島死闘篇』で
名和宏演じる村岡親分が姪の靖子(梶芽衣子)に
内縁の夫の長期刑宣告に
別れろと説得する場面があります。
「待つ待つ言うて待った者んがどこに居るんな
 ワシはえっと(沢山)見てきとるんど」
役者が上手くてホロッとさせらる
実にリアリティーある台詞名場面だ。
しかしさ、この第一作で敵対する組長を
床屋で射殺した波谷組のあれは松本年男(実名)
だったかなあ・・・彼にも恋人がいて(実話)
無期懲役の求刑に対して、その娘の母親が
「私がお父ちゃんを待てたのだから」と
逆に娘を説得する。
実際に彼女は待ち、その愛を成就させる。
これをはたしてレアケースとして流してしまえるのか?
この母親がいうニュアンスには戦争で引き裂かれた
男女の関係が含まれていますので
さほどレアでもない。それを当時の倫理観とする?
それじゃあ最初の村岡さんがたくさん観てきた
体験談はどうなる。

たとえば、男の職業が船乗りだったらどうだ。
今ではそうではありませんが
1970年以前までは船乗りはえっと(沢山)いたんですよ。
船乗りが夫婦仲が良いという噂を聞いたことがない。
悪いというわけではありませんが、
職種とか環境条件は言い訳にはなっても
それが根本原因じゃないんじゃないか?
たとえば、
よろしく哀愁
http://www.youtube.com/watch?v=y_QxA4I59_E
会えない時間が愛 育てるのさ

これだろう!
以前なにかで読んだか観たか
南極探検隊の夫を待つ妻が送った
世界一短いラブレター

「あなた・・・」

感無量ですな(涙)
環境や条件じゃない。
ビクトリア朝時代だろうが
ロマンチックラブだろうが
平安時代の通い婚だろうが関係なし。
ついでに忍ぶ恋も関係なし。

これは、質、お互いの資質の問題だ。
確かに異性愛には秘密が介在している。
その秘密の共有にセックスがあるかもしれないが
これは母性愛が妊娠・出産・子育てのなかにある
「楽しみ」同様に同時に落とし穴なのだ。
それに目を奪われてしまうからしくじるのではないか。
お互いに変化するということは
成長するということであるけれど
人間はこの変化を嫌う。
そのなかでのちぐはを他者のせいにする
とかね
そこで本当の愛とかいって
手軽に乗り換えてしまう。

この罠は愛を愛されることに比重を置き
愛する(能動的な)努力を互いが怠った結果
なんでしょうねえ。
フロムはそれを、技術と表現した。
愛する技術とは姿勢のことであり行動のことだよ。
その意味ではハナから本物も偽物もないし
堕ちようが見合いだろうが遠距離だろうが
船員だろうが年の差だろうがなんだろうが
関係ありません。

本人さん次第の問題だ。
そう考えればこれはこれで過酷な掟のようでもある。
恋多き人の人生を羨ましく考えるものですが
考えようによっては
お疲れ様なのかもね。

「男は女の最初の恋人になりたがるが、
 女は男の最後の恋人になりたがる」