あかんたれブルース

継続はチカラかな

ニッポン人再考と反省と復興

愛する技術という発想(29)


自虐でも賛美でもなく

欧米的近代化から異質な歩みを遂げた日本人
ですが、当然いいことばかりではありません。
特に戦後、特に70年代以降は
急激な欧米化から本来の特性が失われ混迷状態。
それが現状だと考えてください。
わかたようでわかっていない
民主主義や自由主義個人主義などで
身動きがとれない状態といえるでしょう。
疑う知性でさえ懐疑することしか
思考の活路をみいだせない。

疑惑や疑念は愛の天敵なんだよね。
この点についてメディアの罪は大きい。

友人の娘がオーストラリア人との交際がはじまった
そうです。地質学の研究者でイケメンで(笑)
これまで付き合ってきた和製ヤンキー野郎ども
とは月とスッポン。
親としても今回はと身を乗り出す(爆)。
娘も「(本格的に)英語勉強しようかな」
なんてみょうに神妙というか健気です。
そこで、
でも外国人には自立心のない女性は嫌われる
という話がでました。
その彼女にとって、もっとも重要なのは
語学よりも、その部分なんだよな。
なにはともあれ良い切っ掛けとしてほしい
と周囲は応援しているわけだ。

この問題は彼女だけのことではない。
日本人全般に欠けているのがこの自立心だ。
本来、人間の成長は親からの自立をふくめて
ここからスタートするのですが
これがどうにもこうにも・・・
若者だけじゃない。
老若男女すべてこの傾向が強いのが日本人だ。
また、その自立も前記した混迷状態から
無責任や身勝手わがまま御都合主義と
まったく躾の悪い座敷犬状態で
キャンキャン吼えるは噛みつくはウンコしても
自分で始末しません。

もともと日本人は村社会意識の強い民族です。
自然崇拝の温室効果から自立心より
組織や共同体への依存心が強いんだよね。
ファンションや文化も、意識さえもこれだ。

いまカジノ構想なんて提案されて
物議を醸していますが
(動機は無論財政再建のため)
反対派の意見に国民のギャンブル依存症
欧米との比較データから危惧していました。

ギャンブル好きの馬太郎としては
めずらしくこのカジノ案には反対です。
理由は別にあるのですが、
この反対派のデータを興味深く受け止めた。

日本は戦後、博打は御法度でほとんどすべて
国の管轄です。
例外はボートとパチンコぐらいで
後はすべて公営だ。
麻雀も廃れたし、ゴルフで賭けてもナンボのもので
暴力団関係の危ない暖簾をくぐる人もいても
まあ少数派でしょう。
それなのにこの高い依存率はなんだろう?

ギャンブルだけじゃない。
依存症と名のつくものならば
薬物でも投資でもDVでもなんでも依存してしまう。

国をあげてなんでも賭けの対象にする
英国人とはまったく異質であり
つまり独立自立心が希薄なんだよね。
こういう国民性のなかにカジノなんて
10年どころか100年早い。
それ以前に話は絶対にまとまらないでしょうけど。
基地移動にだってこれだけの騒ぎです。
ゴミ処分場やら火葬場葬儀場に刑務所などなど
他の場所ならいいけれど絶対自分の住んでる
所にはあってはならないわけだ。

何も決められない。自分から行動できない。
すべて他者にまかせて非難する側にいようとする。
それが一番の安全地帯であって
それが「共同体(村社会)」という絶好の隠れ蓑
だったのですが、その共同体が怪しくなっている。
それを壊してきたのは自分達なのですけどね。
無論、外圧もあったでしょう。
欧米は自分達の価値観で強要してきますからね。
グローバル化も自由化も国際社会も競争理論も
そういうなかのものです。
この内圧と外圧で二進も三進もいかないのだ。
TPPにしても憲法改正にしても改革すべてが
これです。そして追い込まれえてジリ貧なんだよなあ

非常に不味い
不味いのは日本だけじゃなく
中国も韓国も、アメリカもEUもロシアも
みーんな不味いんだけど
日本の不味さはまた意味がちょっと違いのだ。
誤った愛の後進国で逆にいえば方向転換するのには
一番よい位置にあるといっても
それは転換できての話ですからねえ。
このままで無難にのりきって
十年後二十年後うまくまわっていけているか?
どう考えてもそんなわけないじゃありませんか。

別に逆立ちして別人に変身しろなんて
いってるんじゃあない。
日本人の特性をよく理解して
よい点は大いにそれを活用し(否定ばかりせずに)
もとの道筋に戻す機会だと思うのですけどね。
その具体的な方策が
フロムが提示してくれた
愛されることよりも愛することに姿勢を改める
という個人的な意識改革だ。
20キロダイエットしろとか
消費税分小遣いを節約しろとか
酒飲むな煙草やめろ肉食うな墓参りしろ
とかいうストイックなものじゃない。
それは本来、日本人が身につけていたものだ。
もう一度そこに立ち戻ろうよ
ということであり
なにより、それをあなた自身が求めている。

不毛で途方もないこのゲームから
降りてみよう。
もうヘトヘトなんだから
赦してあげたら