あかんたれブルース

継続はチカラかな

もうイタリアの少年じゃないんだ。

愛する技術(番外地)


昨夜、またパスタだったよ(涙)

ミートソースじゃなかったからまだ救われたけど
「食欲がないから半分ぐらいにして」
これが精一杯の自己主張でした。
フロムの愛の技術というものが
この類のものであるとしたら
わたしは、途方に暮れる。

ああああ、ソーメンが食いたいなあ

そんなありきたりの手軽で適当なソーメンじゃなく
もっと本格的なソーメンが食いたい。
季節もソーメンの時期に突入しもうすぐ夏本番だ。
多くの人がソーメンをバカにする。
やれラーメンだ、うどんは腰だ、越しは蕎麦だと
いってソーメンなんぞはあまり執着されない。
ラーメンブログはよくあるが
ソーメンブログなんてないしね。

東より西、なかでも九州、鹿児島県人にとって
ソーメンは特別なものです。
関東の人とか、いやほとんど人が
ソーメン、ソーメン流しというと
半分に割った竹筒を繋いで
冷水と一緒に流す、あれ
をイメージするかもしれませんが、
鹿児島のソーメン流しはグルグル回っている。
考案者は山川だったか開門だったか
指宿のナンテロさんという方だそうですが、
丸いテーブルにそれに沿った透明の水路に
ソーメンを流しクルクルだ。
場末のスマートボールみたいな感じで
それには催眠効果があって
鹿児島県人は洗脳されている。
上京して36年経ちますがいまだ呪縛が解けない。

誰かキスしておくれよ・・・

鹿児島にはディズニーランドもUSJもありません。
わたしがパスタに憧れたイタリアの少年だった頃
マックもケンタッキーもロッテリアもなかった。
ロッテリアはあったかもしれないですが
天文館山形屋の脇に一件だけ。
怖くて入れなかった。
そんな鹿児島ですが、ソーメン流しはある。
たくさんある。信号の数より多いかもしれない。
これが鹿児島県のテーマパーク、ファミリーレストラン
社交場、娯楽の殿堂、欲望清算の聖地なのだ。

なかでも開門岳のソーメン流しは圧巻だ。
渓谷のなかに造った自然のオアシス、
滝の水流とマイナスイオン
言語中枢を麻痺させてしまうほどです。
コイはうようよだし。
冷房エアコンなんて一切使用していない。
なんでこんなに涼やかで爽やかなんでしょう。
自然の力って凄い!

でも、それなのに自然大好きのルイちゃんでさえも
この話を、ソーメンをバカにする。

教育の問題だな。

いまでも思いだす高校時代の想い出
あれは高校三年の夏、悪ガキ共が語らって
タライをもってくくる係
氷を調達してくる係
ソーメンを茹でてくる係
汁を母親に懇願して作ってくる係
薬味の係、器係とわけて
開催した昼休みのソーメン流しパーティー
うまかったなああ

地元暴走族とブイブイいわせたカブレロ団は
それでも飽き足らずソーメンを茹でて
地元のソーメン流し場に乱入
10人で一人前のソーメンを注文して
隠し持ったる自家製素麺を出して
流して食った食ったたらふく食った。
すぐに汁が足らなくなって
味のないソーメンを頬張るあの顔この顔
情けないバカ面の笑顔が懐かしい。

今年の夏、暑くて食欲がないとき
手間をすこしかけて冷やし素麺など
楽しんでみたらいかがですか
きざんだ青じそに細かく切った海苔
生姜に山葵を摩り下ろして
鰹節の甘しょっぱいだし汁でいただく
冷やし素麺。

鹿児島に行く機会があったら
開聞岳の近くにあるソーメン流しに行ってみて
ください。
近くに大人の秘宝館もあったははずです。
でっかいペニスの道祖神のモニュメントが
ファミリー連れだとちょっとアレですが
カップルに刺激になっていいかもよ。
違うかなあ


この記事は
全日本素麺普及協会並びに鹿児島県観光協会とは
いっさい関係ありませんのであしからず。