あかんたれブルース

継続はチカラかな

ささやかな楽しみ



看護士が各患者に配膳しだした
昨夜の夕食時
向かいのカーテンごしから
「きぬかつぎ」という言葉が漏れたのを耳にした。

きぬかつぎかあ・・・もうそうい季節だよなあ
里芋の小さい奴で皮ごと茹でてぷりんと
手でつまんで押して中身を出す。
それに塩をまぶしていただく居酒屋の
季節限定商品。
塩分の規制を受けるこっちの身としては
もう一生口にできない代物かなあ
と思いきや、わたしの配膳されたトレーに
小さななのが二個

きぬかつぎだ!

その小鉢を手でまさぐって
やっぱり塩はついてないか、だよねえ。
おっとその横に小さな小さな乾燥剤みたいな
塩のパックがあるではないか!
商品名「院内塩」なんと0.3グラム
なんか売人から覚醒剤の差し入れを受けた
囚人のようです(涙)

しかしもう二度と会えないと思ったきぬかつぎ
ちょっとした感動でした。
でも悲しき0.3グラム、こんなんじゃ一個でも
足りないよと。今後のこともあるので
最初の一個は塩なしで口に入れました。
塩なしのきぬかつぎを噛み締めて
それはそれで秋の風味でもあった。
そして今夜のメインイベント
その貴重な塩を最後の一個に上手にまぶして

やめた。

塩の封、切らないでそのままその一個を
口に放り込んだ。

この塩は大切に仕舞っておこう。
引き出しを開けたら数日前にとておいた
磯自慢の小パック
宝物がふたつになりました。
いつかおかずが足らないときにと取っておいた
非常食というか命綱(?)
こういのは病院とか刑務所とか捕虜収容所とか
娑婆から隔離された所だから価値があるんだよね。
なんかそういうのが新鮮!

だから、退院したらまったく価値はなくなるんだけど
だからって退院までに喰ってしっまちゃあ
なんかつまらない。
このまま食べないで宝物のまま
退院したらお守り袋かなんかに入れて
たま~にそれを眺めて黄昏るのさ。
女子供にはわかんねえだろうなあ
この男のロマン

あれ? ない。

ここの記事を書きながら眺めていたはずなのに
ない。いままでそこにあったのに、
そこに置いたのに塩とのりの佃煮がない。
ちっちゃいからパソコン動かしたときに
どうにかなったのか、塩はありました。
床に落ちてた。小さくてわかりづらい。
でも海苔の佃煮磯自慢の小パックはみつからない
誰か知りませんか?わたしの宝物
まさかこの冷蔵庫の裏に落ちたら・・・

あああ、喰っとけばよかった(涙)