あかんたれブルース

継続はチカラかな

祭りの後の月見弁当



ミッション決行しました。昨夜の19:45分
千駄木「かつ亭」にチェックイン
前から下見して練りに練った注文は、
単品で一口ヒレカツとエビフライの大
それにホタテ。
うう~ん、定食にしなくていいんだ。
味噌汁は飲めないんだよ。
皿はひとつに盛っておくれ
生野菜はいらない食っちゃいけないんだ。
どうせ残こしてしまうからね。
ご飯は半ライスでお願いします。

しばらくしてオバちゃんがお膳を運んできた。
よろしかったお塩もどうぞ。
「悪いねえ塩ダメなんだよ」

手にはサントリー黒ウーロン茶
万全のかまえでアッいう間に完食。
ヒレカツは柔らかかった。
どっちかっていうと白身まじりの下衆なロースが
好みですが、病人にはこれでちょうどいいっしょ。
エビフライはボリュームがありました。
尻尾は残すほうですが、カルシウムかと
思い直して最後の締めで噛み締めました。
ホタテは感無量です。
わたしは寿司ネタの生のホタテは苦手なほうですが
衣で揚げたホタテは大好きです。
お代はしめて1140円也

このために今日は昼食と夕食を抑えた。
昼食がなんと憎っくきミートソースで
フタあけた途端に眩暈がしたよ。食わない。
野菜の小鉢だけ
あとは夕食まで隠し戸棚のポッキーと
キャメルで飢えをしのぐ。
こうやって豚カツテンションのボルテージが
あがっていきます。
6時過ぎの夕食
今日はシャケのムニエルにインゲンが三本
シーチキンサラダにマヨネーズ1P
高野豆腐と人参の薄味煮
缶詰の桃
なんか得体の知れないゼリー

さてどう処分しよう。
ルイちゃんからもったいないから絶対捨てるな
と厳命されているので、売店でもらってた
レジ袋にご飯をほおりこんでお握りに
ならないから煮物の残り汁をちょっと混ぜたら
余計にまとまらなくなりました(汗)
そこに塩っけのないシャケを入れて縛って
隠し戸棚にしまった。
まだほんのり温かい。残飯ですけどね。
で、残りの品をきれいにたいらげた。
これで準備は終了バレはしないよ
でもなんか後ろめたくて、膳を下げにくる
ナースと顔をあわせたくなくてトンズラ
外に出て煙草吸って時間を潰す。
ほとぼりがさめたころ病室に戻ると
片付けられている。
ほっとしたところに背後から
「お食事片付けましたが全部食べられました?」
「あっ、は、はい。はい」
看護士も女ですから女のカンって鋭い。
冷や汗が出ました。
そこから小一時間、小腹が空くのをみはからって
病室を抜け出した。


さて、食ってしまえば、終わってしまえば
なんてことはないもので
10時の消灯からしばらくすると
なんか腹が減ってきた。
ああ、やっぱり半ライスにするべきじゃなかったかな。
そういえば今夜は特別な満月だとか
もそもそ置きだして夜陰に紛れて病室脱走
手には秘密の戸棚のポジ袋残飯弁当
途中の自販機でウーロン茶を勝って
病院の向かいの公園に向かった。
ベンチに座ってまた一服。今日は三本目だ。
ところで、月は・・月がない。
と頭上に明々とあるではないか、なるほど綺麗だ。
月明かりに照らされてお祈りをする。

なにを願ったかって?

ヒミツ。

その後、ベンチに座ってもそもそと
残飯弁当を頬張りました。
なんか浮浪者のようですが
これがなんとも美味いんだな。薄味なのに
不思議だねえ。
あっ、シャケ半分千切れて落ちちゃった。
神様がそれぐらいにしておけということか?

不思議とは、あんなに執着した豚カツよりも
こんな病院食の貧乏臭い残飯がこんなに美味い
と感じるなんなんて、不思議。

透析を始めるにあたって
もうこれからは食いたいもの食えない
不自由な規制のなかでの生活を余儀なくされると
カンネンしたのですが
先日のきぬかつぎといい、なんか料理食材の
味をさぐるように食している。
これまでそういうのってあまりなかった。
濃い味付けに流されてきたようで
すっかり見落としていたのかもしれない。
失って不自由にんったはずなのに
なんか失って拾ったような
新しい世界がとても新鮮に感じた。
そういうの見えてなかったんだなあ。

食べることがこんなに楽しいって
考えたことなかったな。

これまでは白黒メリハリをつけることだけに
奔走してきたように思います。
それも、それはそれでいいとして、さ

残りの人生は3分の1か、4分の1か、5分の1か
もっと少ないのか、わからないけれど
そういう今までとは違った生き方をしてみたいと
思っているぼくがいる。