あかんたれブルース

継続はチカラかな

有事とは不自然極まりない環境なり



未観のDVD鑑賞
本日は『太平洋作戦』(1951年也)
ジョン・ウエイン主演の戦争モノ。
共演がロバート・ライアン
このロバート・ライアンって顔に似合わず
多くの悪役敵役で多数の作品に登場する名脇役
日本でいえば山形勲月形龍之介を足して割った
ような役者・・・かなあ?
ちょっと格上の大物悪役ってところです。
顔立ちは温厚で太くジェームズ・ガーナー
戦争モノでは悪役ではなく将軍役で登場する。

ジョン・ウエインは片岡千恵蔵でどうでしょう(汗)
黒澤をジョン・フォードとして三船でもいいけれど
なんかそれだと三船敏郎に悪い気がして(笑)

今回まだ若いライアンでデュークの副官役。
あらためてみると結構長身で
ジョン・ウエインとそうかわらない。

で、今回はジョン・ウエインが憎まれ役の上官
ライアンが人情味ある副官つまり善人役で
上官ジョン・ウエインと対立する。

作品のテーマはリーダーシップと責任だ。

男もつらいがリーダーもつらいんだよと
ラストはそれが開帳されて二人は握手
デュークの後継者としてライアンが
本当のリーダに成長していくというドラマだ。

アメリカ人の血気盛んを鼓舞するものと
こういった戦争モノはあまり評価されない。
当然、西部劇と戦争映画がほとんどの
ジョン・ウエインは人気はあっても
俳優としてはあまり評価はされなかった。
まあ大根役者の代名詞みたいな役者だったのだ。
わたしは英語が堪能じゃないので
どう大根なのかわかりませんけどね。

ともかく、この作品では人情が完璧に
負けてしまったわけだ。
なんたって有事であって軍隊ですからね。
モシレバタラは通用しない。

そういうのを突きつけられたとき
私たちは揺れてしまって・・ああやっぱりなと
心より頭を優先してしまうものです。

ちょっと待って
この作品は有事、戦場が舞台だよ。
まず、そういう場、戦争というシチュエーション
自体が自然じゃないんじゃなかろうか。

その戦争に関しても時代によって
特に近代に入って大きく変わっていった。
たとえば、朝ドラで太平洋戦争の空襲を描く
あれって非戦闘員がターゲットになる
無差別爆撃だよね。
いくらリメンバーパールハーバーだからって
ちょっと倫理的におかしくない?
それと原爆投下
そういうのを戦争をはやく終了させるため云々
とか言って納得してるけど
それは違うと思うよ。
米国でも絨毯爆撃には賛否がわかれたんです。
結局そういうを脳が勝ったんでしょうね。

そういう不自然って本来人間の肌にはあわない。
いじめの記事でも書きましたが
そういうのは軍隊内で蔓延るものです。
不自然な環境からヒステリーを起こすんだね。

こういう戦争と仕事やなんかを一緒にする
考えがある。組織=軍隊みたいなのもそう。
そりゃいじめもパワハザもモラハザも起きるよ。
心を失っているんだもの
対して脳は無力だ。

脳がすべてを司るなんて
とんでもない驕り、過信だね。
脳は暴走するんだ。
そして人間の特性には「過剰」がある。
そういうのを鎮める抑えるのが心ではないのかな。

おっと『太平洋作戦』は45点かな
別に反戦ものじゃないから辛いわけじゃない。
戦争モノでも反戦でなくとも
もっと優れたのはたくさんある。
カラーで作った意味もない。
モノクロだったらも少し箔もついて
47点はあったかな。