あかんたれブルース

継続はチカラかな

腑抜けたエンディングは許さない。



予感はあたったのです。
先日借りてきた『桐島、部活やめるってよ』に
懐かしい『サード』を重ねてしまった。
とくれば、きっとこの
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』は
『祭りの準備』ではなかろうか、と
勝手な予感がありました。
これ、わたしの自論の相似デジャヴのリンク法則
もともとは歴史に適応させるのですが
最近は引き寄せ原理と結ばれていろいろ応用してます。

その予感通り、故郷・地元からの脱出
がテーマとなっておりました。

と同時に、以前から話していた
人間関係の力学
ここでは
姉>兄>妹>兄嫁というカースト制があります。
その一番の弱者であるはずの兄嫁が実は・・・
面白い作品だった。

ラストも今時の日本映画だったら
ここでエンディングだろう、じゃあここで
の予想に反して引っ張る引っ張る
そりゃそうだよね、タイトルにあるように
「腑抜けども」の含みを持たせるセコイ逃げ手は
通用させない。なに?余韻だってえ?
とにかく潔(いさぎよ)いエンディングも好感だ。
勘違い女役の佐藤江梨子が良い。
この役にどんぴしゃでした。
実際、こういうタイプの女性、いるよね。
対して下克上して上京を決意する妹の
「お姉ちゃんは自分の面白さがわかっていない」
は、鋭い。作家の才能やっぱりあるわね。

で、わたしが気がかりだったのは
東京港区出身、といても
新橋のコインロッカーに捨てられた兄嫁
痛いねえ・・・そして次第に・・・
わたしは武田鉄也の歌にある
♪人は悲しみが多いほど人には優しくできるのだから
が、なんというか
人は悲しみが多すぎると慣れてバカになるんだ
とも思った。それはそれで痛くて哀しいのだけれど。

こういうときわたしは癖でいつもこう考えてしまう。
あの兄嫁と所帯をもってうまくやっていけるだろうか?
常にやさしく労わってあげられるだろうか?
苛立って横暴にふるまってしまわないか?
幸せにしてあげられるだろか・・・
思いはつきない。

とにかく「腑抜けども」というタイトルが
ずっしり腹にこたえる一発でした。

吉田大八なかなか骨のあるツワモノです。
『桐島・・』84点
『腑抜け・・』82点
順番が逆になりますが『パーマネント野ばら』も
次借りてこなくっちゃ。

PS.『ローンレンジャー』76点でどうでしょう。