あかんたれブルース

継続はチカラかな

モテキの純文学性



退院からここ数日あわただしい日々を
送っております。
まだ体調が整っていないこともあり
疲れるわあ(汗)

さて、投石DVD感傷の記念すべき第一弾は
モテキ』でやんす(汁)
一年の計は元旦にありと申しますが
これがわたしの傾なんでしょうね。こんなもんだ。
人気コミックから深夜人気ドラマとして
映画化された作品。イマドキのパターンだけど
これがなかなかよく出来ている。
独立した映画、作品としてね。81点です。

といってわたしはオリジナルのコミックも
テレビドラマも観ていない(一回だけ観たかな)
たぶん原作とはちょっと違うと思うよ。

前半から後半で急降下するドラマ展開
それを額面通り受け止めたら多分かったるい
よくある展開の「62点どまり」の作品
だったんでしょうが
ラストの主人公と彼女の抱擁で考えさせられた。

仰々しくいえば、「恋愛の条件」かな
まるで五味川純平の『人間の条件』のようですが(汗)
まあさほど遠くはない。
はたして作り手側がそこまで腹を括ったかどうか
それとも馬太郎のいつのも深読み妄想か
それは観てのお楽しみで各自それぞれです。

この作品でも、実際の現実でも
恋愛に貫目とかランクとかステイタスが問題になる。

イケメンだとか巨乳だとか若さとか
年収だとか仕事できるかとか付き合いがいいとか
趣味とかセンスとかクルマもってる?とか
色々条件があるわけじゃない。

そういう意味でこのドラマの主人公はまったく何もない。
しいていえば、若いというぐらいかな。
しかし若さは同時に、若いということは何もない。
お金もなければ仕事もできないモラトリアムで
そのくせしたくてしてくて仕方ないサガリのついた
競走馬でいえば二歳場でパドックで馬っ気だして
ぶ~らぶら、おかげでレースはシンガリという結果。
若さは残酷だ。

人が人を愛する、好きになるのに条件は必要か?
まあ、最低限の何かは必要でしょうね。
誰でもいいってわけにはいかないもん。
たださ、それがミテクレとか稼ぎとかそういうものじゃ
なかった時代もあったんじゃないか?
そういう時代が「若かった」頃じゃないかと思う。

それを愚かさと置き換えてもいいのでしょうが
恋愛というものの本質はそういうものであって
見積もり出してGOするもんじゃない。

そういう若さを一生もち続けている人は
一生青春をもち続けられている幸せな人だ。
それはなにも恋愛に限ったことじゃない。
昨今はその「幸せ」を皮肉めいて使うけど
そんなの個人の話なので関係ありません。
半分はやっかみですからね。

で、その若さってやつの正体をもっとたどれば
これは「色気」なんじゃないかと、思う。

世間ずれしたオヤジやオバちゃんには
そういう色気がないもんね。
つまり、最初から条件を持ち出すことは
そういう感覚が劣化麻痺退化して
それに頼らないと身動き取れない不自由な
オジサン化でありオバサン化なんだと。

だから、この『モテキ』のラストへの
急転直下はそう無理な設定じゃない。
絵空事の御都合主義のシナリオでもないと思う。
そういうものだと思うよ。

ま、だけどわたしだったらあの娘は選ばないけどね(笑)

しかしまあ、人が人を好きになるっていうのは
ほんと理屈じゃないよね。
美人だったいいとかなんじゃらほんじゃら
そういう単純なものじゃないもの。

モテキ』今度テレビドラマとか原作コミックも
目を通してみたいと思います。
ことによる現代の若者は今時の大人なんかり
相当めぐりが良いのかしれないぞ。