あかんたれブルース

継続はチカラかな

砂の器の原点は0の焦点



投石DVD感傷の第二弾は、一転シリアスに
ゼロの焦点』(1961年の野村芳太郎版)
御存知松本清張の初期の代表作で
これまで何度もリメイクされた不朽の名作だ。

この作品があの『砂の器』の焦点いや原点にある
ということは聞いてはいましたが
なんだかんだとここまで不覚にも未観だったわけです。
いやあ、良かったですよ。
病室のベッドで隠れて泣いたよ。82点です。

三大女優の共演というのも見所で
久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子が美しい。
特に久我が演ずる新妻の東京言葉がグッときます。
対照的に、有馬稲子の北陸弁と蓮っ葉なパンパン言葉
甲乙つけがたいです。
これじゃあ南原宏治の優柔不断もわからんではない。
なのだが、なんで彼は重婚というか
見合いまでして自分で自分の首を絞めたんだろう?
久我と恋愛だったらわからんでもないけど・・・
背負っていくものが彼に重すぎたんでようねえ。

こういうの甲斐性っていうんだね。
金銭の問題じゃないんだなあ

作品のテーマは「深情け」っていうやつだ。
日本映画の古典的名作に『出来ごころ』なんて
ありますが、そういうものは昨日モテキの稿でも
書いたように訳知りのジジババにゃあ目障りな目糞だ。

清張版の出来心も深情けとなってしくじった
その哀歌に青少年の目が歳を取るのであった。

哀しい現実・・・
そういうのが歴史の側面には刻み込まれている。
それをなぞればささくれ立って、痛いわけだ。
ただ、だからといって
そういうのを顧みないっていうのもどんなものかね。
お父さんは許しません!
一人で大人になったような顔をしやがって
こういう人たちの悲劇や苦労があって
現在の日本はあるんだ。
何が従軍慰安婦問題だ。その前に日本人に謝罪しろ
ですよね。そういうのを隠すから
韓国あたりに足元をみられるのだ。

ま、それはそれとして

この作品、いったい誰が一番悪いのか・・・
南原か? まあ弱い人間ではあるけれど
悪人といえるのだろうか?
高千穂ひづる?
そうもいえないわけで
結局は殺された西村晃あたりに落ち着いてしまう。
そう考えるとなんか今の犯罪の
またそれを扱った映画作品のなんとも殺伐とした・・・
これも時代のせいなのか
だとしたらつらいねえ。

あの女たちのそれぞれが抱えるつらさや悲しさより
もっとつらく悲しい気がするのですが
どんなもんなんですかね。
なに?そんなこと知らない・・・
そりゃまたどうも失礼いたしました。