あかんたれブルース

継続はチカラかな

長崎らぶらぶ節に唸る

それでも花は咲いていく 6


年末年始用に借りてきたDVD
返却日をみたら今日まで!
あわてて最後の一本を観たのです。
長崎ぶらぶら節
なかにし礼直木賞受賞作の映画化
吉永小百合作品。
さほど期待していなかったんですが
これがけっこうすんばらしい!
感動しちゃった(涙)
実話と原作、そして映画と違いはあるとして
映画作品として、素晴らしかった。

このシリーズで恋愛とか不倫を
テーマにしていますが
この作品もそれに向き合ったものでした。
ヒロイン愛八が愛した古賀には妻がいて
愛八にも旦那がいた。
下世話な見方をすればダブル不倫となる。
けれども、この二人の純愛を不倫とする
眼差しこそ恥しくなってくる。

私たちはこのことをどう咀嚼するのか?
映画だからで済ませてしまうつもり?
正面から向き合ったり突詰めたら
混乱しちゃうようなことって多々あるものです。
そういうときは割り切るか
深く考えないことが上手な生き方なんだよな。

しかしこの作品では
愛八という女性を見事に美しく描いたものだ。
女性というよりも人間として
いややっぱり女性として、だな。

そんな愛八と古賀
古賀だから愛八に愛され、愛八だから古賀が愛する
惹かれあった。
違うのかしれませんが
恋愛には格付けがあるのではないか
なんて思ったりする。
横綱同士の取り組みのような

この作品のテーマにあった
「生きた証を残したい」

決して成就する恋でもないのに、
それは崇高な愛の証だった。

原作を読んでいないので比較できませんが
脚本の市川森一は良い仕事をしたと思う。
なんというか人間の機微を知っている。
遺作となった『蝶々さん〜最後の武士の娘〜』に
批判的な記事をアップしたことが
心苦しく感じております。