あかんたれブルース

継続はチカラかな

マッサンの本当の魅力

それでも花は咲いていく 14


とって付けたようなピン子の最期
今朝の『マッサン』で目頭を熱くした
全国茶の間の方々はどれほどいたものか?
ヒドイ言い方になりますが因果応報
ピン子もとんだ憎まれ役を押し付けられたものです。

それにつけても玉山鉄二の亀山君の不甲斐なさ
独善的信念、頑迷頑固一本調子はこれからも続くわけで
実話ベースとしても
もっとなんとかできないものか
エリーの奮闘が痛いわけだ。

対して、鴨居の大将こと堤真一の事業家としての
苦悩は痛いほど理解できる。
脚本は同じなわけで、役者の違いか?
亀山君と鴨居の大将が衝突する場面では
ついつい鴨居社長に感情移入してしまう。

亀山君にとって鴨居の大将は良き理解者であり
庇護者であり、パートナーなはずだ。
「一緒にウイスキー造ろう!」
あの台詞には泣けたけどね。
商業主義に奔るように描かれて
対して理想を追い求める亀山君が善玉のように
描かれていますが、なんか腑に落ちない。
結局、まだウイスキーというものに馴染めない
日本人の環境をどう咀嚼しているのか?

おい、なんのために北海道に行ったのか!

なんてね
そんなドラマごときのことでイラついても仕方
ないのですが、亀山君こと実在の竹鶴政孝
あんな感じだったのか?
という点を本日は考察してみます。

事業の成功者、創業者なる人物には
それをバックアップする協力者が存在するものです。
その成功は単なる運不運だけではない。
出光興産の出光佐三には日田重太郎が
孫文には梅屋庄吉宮崎滔天
竜馬には勝海舟
ホンダの本田宗一郎には藤沢武夫
などなど援助者や相棒が存在するものです。

亀山君が北海道に渡ったときに出会った
森野熊虎なる人物もそうなんでしょうし、
この地で独立して新規事業を起こすときの
野々村茂(モデルは加賀証券社長加賀正太郎)
もその一人。エリーだってそうだし
なんといっても鴨居の大将もそうだ。

竹鶴政孝が絵に描いた明治人のごとく
ドラマで描かれるような猪突猛進のウイスキー馬鹿
だったらして、はたして彼をバックアップする
人たちが集まってきただろうか?

竹鶴政孝はドラマ以上にもっとチャーミングな人
だったのではないか。現代の茶の間を魅了するほどに
じゃなかったらエリーがついてこないよ。
こういう点が最初から違和感があったんだよな。
玉山君、君の力量のせいだぞ。

史実では
エリー(実名リタ)が亡くなったとき
「おばあちゃんが死んじゃった」と家中で泣き喚いていた
といいいます。愛していたんですね。

歳をとっても、こういう夫婦って羨ましい。
豪放磊落な明治人であっても
そういうふうに人を愛せるって大きな魅力だよな。

恋愛には格付けがあり、それは魂で決まる
と記しましたが、それは男女の恋愛だけでなく
人を惹きつけるチャームとして
露骨に現れるものなんでしょうねえ。

銭金損得だけじゃあないんだよ。