あかんたれブルース

継続はチカラかな

英一郎の死とオールドの誕生



朝ドラに目くじらたてても始まらない
のだけれど、わたしにはわからない。
ハナ(小池栄子)の良さはわかるけれど
俊兄(八嶋智人)の良さがわからない。
始終不平不満のカバチばかり垂れてて
頑固頑迷傲岸不遜・・・
なんでハナが惹かれるのか?
きっとテレビに描かれない
それなりの魅力があったんでしょうね。

そんなことより突然の訃報
英一郎の死には愕然とさせられました。
それが昨日の話で
マッサンはエリーと共に大阪へ

沈痛な鴨居の大将・・・
英一郎が仕込んだ原酒に対して
「若すぎる」という表現がぐっときた。
中島みゆきの「ピエロ」という
揺り籠のような歌に
「古くなるほど酒は甘くなる」という
一節があります。
対して、原酒は若々しく荒削りだ。
うまい表現だ。

朝ドラごときに泣いてしまったよ。
後継者を失ったサントリー寿屋鳥井信治郎
落胆は相当なものだったでしょう。
サントリーの角とか
戦時中で陽の目をみないオールドは
英一郎の苦心の作品だったわけですね。

サントリーオールドが誕生したのが
昭和15年日中戦争は拡大し重慶爆撃開始の年
そして太平洋戦争(昭和16年)に突入していく。
そういう時代環境からオールドの発売は
10年遅れて敗戦後の昭和25年です。

オールドは「ダルマ」という相性で
昭和を代表する酒となった。
どこの家にも、スナックにも必ずあった。

英一郎(鳥井吉太郎)が急逝したのは
昭和15年9月。
オールド誕生のその年、その直前だ。

なんともドラマ以上にドラマチックです。
日本のウイスキー業界を二分した
サントリーとニッカ
ウイスキー通を自認するものは
サントリーより本格派のニッカを愛したものです。
オールドがあまりにも普及したせいもある。

昭和35年、オールド発売から10年
サントリーローヤルが発売される。
これはうまい酒だった。
スーパーニッカと対抗した酒です。

もしね、マッサンとエリーと鴨居の大将が
今朝飲んだ英一郎が残した原酒が
その後、ローヤルになったとしたら・・・
なんて想うと泣けるわ。

古くなるほど酒は甘くなる