あかんたれブルース

継続はチカラかな

犬にもやさしい

大人の発達障害(2)


わたしの友人与太郎が修羅場の世界に
迷い込みとあるカリスマさんから
「あなたはイイ人だねえ
 犬にもイイ人だよねえ」と揶揄された
そうです。

この言葉は含蓄がある。
わたしもそう思う。
与太郎はやさしい。そして実に甘い。
そしてもうひとつ、この言葉には
発した人間をも
表しているなあ、とも感じた。
この言葉を漏らした人は
不幸な生い立ちで施設から脱走し、少年院に入り
その後独立独歩のハングリー精神で成功した。
一時は世間から持て囃されもしましたが
現在では良くも悪くもいわれている。
この人もまた
愛着障害」があるんでしょうねえ。
だから与太郎を揶揄する言葉であると同時に
この言葉には発信者の慟哭でもあるわけだ。
犬なんかにやさしいなんて馬鹿なことで
甘い、信じられない。そんな世界で生きてきた。
自分のことで精一杯でそれが現実なんだと。
犬も他人も同じなのだ。
自分とそれ以外のものたち。
これが彼の世界観なんだね。
そしてそれを不安視してさびしがってもいる。
じゃなかったら与太郎にそんなこと言わない。

彼にとって他者とは利用できるか否か
危害を与えれないか否か
そういう判断でしかみれないのでしょう。

それでも
問題はあっても
魅力はあるわけで
与太郎はそれに惹かれた。
欲と道連れというのもあったでしょうが。

与太郎が偉いのは
実害を受けてもそれでもこの人を
恨みきれない。
そういうお人好しなところが与太郎の長所です。
まあ世間的には馬鹿間抜けおたんこなす
なのですよけどね。
それにこの人は
一種驚愕してあの言葉は出てしまったんだ。

与太郎は勝負する土俵を、場の選択を
誤ったと思う。そうアドバイスした。
相撲の得意なものがサッカーが流行ってるからって
そっちを目指してもようがないじゃん。
球技だったら
せめてラグビーとかアメフトぐらいかな
そんな感じ。

与太郎の欠点はこの甘さにある。
けれども与太郎の長所、武器もまた
そこにあるやさしさでもある。
そして与太郎はまだ若い。
その資質を大いに活用して正攻法で
その人生を謳歌してほしいと思う。

与太郎よチャンドラーは
フィリップ・マーロウにこう言わせた。
「男は強くなければ生きていけない、
 優しくなければ生きる資格がない」

優しさと強さはイコールなのだ。

与太郎
男で勝負しろよ。
それが一番おまえにあっている。
馬鹿だろうが間抜けだろうが
いい男でいてくれ。
お前の欲しがっているものは後からついてくる。