あかんたれブルース

継続はチカラかな

急げ王子



僕は王子だよ。
王子の仕事って知ってるかい?
それは姫を助けることさ。

「助けてええ馬太郎王子いいい」

おっと姫が呼んでいるぜ。ほいきた合点承知之介!
そういうわけだ。じゃあまた後で
行く手は松坂町~ううううう


SFモノによくある設定で
朝起きたら世界が変わっていた。
自分以外は異性人とか
ミュータントとかゾンビとか関西人とか
そういう疎外感みたいなものを感じる
ときがあります。

まともかまともじゃないかがわからない。
正常とか健常者といわれる人たちが
棲んでいるこの社会に疑問を感じるのです。
それについていけないものははじき出される。

人間の特性を比較と過剰としました。
共同体のバスの乗客は差別し排斥していく。
自分達の世界を囲い込もうと必死です。
自分達を肯定するためにそうでないものを否定する。
囲い込みの輪は徐々に確実に狭まっている。

この社会は掟で支配される管理社会だ。
そのストレスを発酵させて
目先の享楽をアメにして支配しているのさ。
考えること感じることを危険視する。
なぜなら傷つくからだ。
どう考えても出口はみあたらない。
当然の結果として閉塞感に陥るのだ。
だから考えないように感じないようにすることが
上手く生きるコツだと教わっている。
マニュアルとか便宜主義や個人主義
効率的とか合理的として疑わない。
それに後付けで自由とか現実的とか
民主主義とか屁理屈をならべたてる。

一見優しそうな微笑の仮面には
冷ややかな素顔を隠している。
喜怒哀楽などタブーです。
個性など認められない。
グルメとスキャンダルで十分なのだ。

痛い。

いたたっ、笑い過ぎてでもない。
食べ過ぎてお腹が痛いんじゃない。
歯が痛いでもない。
足が痛い。
左の足が痺れて身動きとれない
動けない。
はやくしないと姫が危ういというのに
まだ部屋から一歩も出れていない。
足元に目をやれば
自分で自分の足踏んでいる。

間に合うのか馬太郎王子
窓辺でツバメが泣いている。