あかんたれブルース

継続はチカラかな

星に願いを



外出先から帰宅してお疲れさんと
BS着けたら、あら珍しい祭日でもないのに
ディズニーの『ピノキオ』をやってました。
戦前の作品だよ昭和15年
よく出来ているなあと感心しながらついつい
横で携帯いじってた息子も見入ってきた。

良いこと悪いことの区別ができて人間になれる
できないままで大人になってる連中が多い。
好き勝手な言い分で好き勝手やって
島の遊園地にいってロバになって売られるのさ。
リアルタイムで観た子供たちはゾッとしたかな?

観おわって「面白いね」と漏らした息子
よしこのタイミングとレンタル屋に走った。
わたしの東京在住も残り一週間をきりました。
わたしの子育ての最後の仕上げは
息子に観せておきたい5本の映画・・だったのですが
なかなか5本にしぼれなくて
彼もバイトで急がしようでそうそう・・ねえ
思い立ったが吉日だ。取りあえず5本借りてきた。
速攻で、最初の一本は
大脱走』(1963年)
昔、「著名人のこの一本」という企画で
だいたいがよくある名作の一押しだったのに
たとえば『2001年宇宙の旅』とか
『時計仕掛けのオレンジ』とか
村上龍だったかな?胸張ってコレをあげてた。
わたしもコレなのだ。

ジャンルは戦争モノ?
アクション映画か スリル満点の娯楽の殿堂活劇
ヒューマンな群像劇でもある。
エルマー・バーンスタインの音楽がいいねえ
この作品と『荒野の七人』で
当時無名に近かった若手の三人
マックイーンとブロンソンとコバーンは
スターダムにのぼる
まさに出世作
はたして平成生まれの息子の琴線を鳴らすか?

からんころんからん

親父の目論みは首尾よくうっひょっひょ

ねえねえ誰が一番よかった?

「あの白のタートルネックの人」

息子があげたのはジェームズ・ガーナーだった。
わたしと同じ。
この作品のガーナーは素敵だ。
また、この作品はアメリカンヒューマニズムとして
弱きを助けるというヒーロー像が色濃く描かれている。
それが盲目となったドナルド・プレザンスに対する
ジェームズ・ガーナーの選択と行動だった。
そして閉所恐怖症のブロンソンにジョン・レイトン
ゲシュタポに気づかれたアッテンボローたちを
身を挺して撃たれたデヴィッド・マッカラムも。
個人主義のようでマックイーンも
精神を病んだアンガス・レニーを気遣っていたしね。

そりゃあリスクを背負うもので
合理的に考えれば、アホのすることと
嗤われるのが現代の論理でしょうが
そんなもの糞喰らえだ。

独立念日のアルプス一万尺の三人の鼓笛隊
独立万歳植民地万歳イギリス糞喰らえ
連合国軍ではあるけれど
かつての戦争相手国だった英国人と米国人が
正体不明の芋焼酎を飲んで祝う図は微笑ましい。
あとガーナーに騙される人のよいドイツ軍の看守も
よい味を出していたし
紳士的な所長も最後まで好感をもてました。
悲劇的なラストにも関わらず
この爽やかさはきっとこういうのが原因してる?

シナリオが最高で
随所に伏線が込められている。
最後の所長の台詞
「君は運がいいぞ」
「俺が?捕まったのになんで・・」
ここでマックイーンはハッと気づく。
「何人だ」
「50名だ。
 ・・ベルリンに行くのは
 君のほうが先になりそうだな」

これはマックイーンとの初対面の会話からと
ソ連最戦線に左遷される所長との距離感
だけでなく、暗にドイツの敗北を所長自らが
認めたものであったようでしたね。

実話がベースのこの作品
こういったところから歴史とか
リスペクトする人間の在り方とか
いろいろなものを学ぶ糸口にしてほしい。
自分なりの良い事と悪い事の分別がもてる
人間になってほしい。

ゼペット爺さんのような
ジミニー・クリケット卿のよな
馬太郎だったとさ。
When You Wish Upon a Star