あかんたれブルース

継続はチカラかな

第二章の坂の上の雲

先月二十日、鹿児島空港に降り立って
地元行きの空港バスに乗り込もうとしたとき
携帯が鳴った。
相手は徳間の担当者からで
『明治人物烈伝』(のち文庫『坂の上の雲まるわかり人物烈伝』)を
新シリーズの文庫ラインナップに入れて
新装再販するとのこと。重版なわけだ。
これを書いたのがかれこれ十二年前
まだブログも知らない頃でした。
絶版作家としては有り難い寝耳に水の朗報だった。
単行本→文庫→文庫なので
大した手間はかかりません。
ゲラ刷りが出来たら郵送するのでチェックして欲しいとのこと。
と、いって
わたしは旅路の果ての旅の空
ファックスもプリンターも手元に資料本もない実家で
どうしたものかと
といってるうちに昨日
ゲラ刷りが出来たので郵送するとの連絡。
今月中に下阪したいので一週間を目処に返してほしいとのこと。
ま、アナログでいくか
それはいいとして
あとがきを書き直して欲しいとの注文。
坂の上の雲』とのリンクではなく
近現代史としてのアプローチというお題であります。

恥ずかしい話ですが
この人物烈伝のあとがきは泣きながら書いたんだよね。
本章で散々こき下ろした乃木と絶賛した児玉の訣別
その友情の在りかを想うと自ずとウルウルきちゃって
自然に筆がはしったものです。
それを読んだ先代の担当者編集者力石さんが
目を真っ赤にして「いいねえ」とほめてくれました。
物書きとなって2年、2本目ではじめて文章をほめられた。
自信とか何もないなかで踏み出した世界で
それは一筋の光のようだった。
それ以来、書いてる本人が泣けるようなものでないと
読者の琴線は揺らせないとして奮闘しましたが
一本三百数頁なかなかそこまで感情移入するのは
物理的にも現実的にもまた商品としても
無理なわけじゃん。
なんといっても精神力というか体力の問題かなあ
それくらいあのあとがきは力が入っていました。

ここ数年、闘病生活で身体と気力が衰えているわたしに
あの頃の熱いパッションの文章が書けるだろうか
ちょっと不安いやおおいに心許ない。

気持ちを高めないといけない。
久々にプレッシャーだわ。
馬太郎復活なるか

ま、透析の四時間

時間だけはあるしねえ

こら、寝るな!