あかんたれブルース

継続はチカラかな

不誠実VS堕落の対立

本日の透析シアターは
『 ヘルプ~心がつなぐストーリー~ 』
2012年のアメリカ映画。
舞台は1960年の代の南部ミシシッピ州
公民権運動、キング牧場暗殺を背景にする
黒人差別をテーマにした地味な作品でしたが
これがなかなかの秀作でした。
差別問題を扱っていながら重くない
かといって薄っぺらくない
実に力強い仕上がりで脱帽でした。

ユダヤ人差別以上に米国史の汚点として
根深く現在まで爪痕を残す黒人差別。
差別は肌の色から宗教、出身地、性別、体重容姿まで
やろうとすればなんでもできる人間の悪習です。
白人至上主義っていつからなんでしょうかね。

その上にたつ白人って勝手で悪い奴。
とまあこうなる図式は容易にある。
朝鮮人にとって在日にとって沖縄県民にとって
アイヌ被差別部落出身者にとって
日本人は悪い奴ら。ツー批判に臍を噛む人は多いはず。

この作品にも嫌ーなアメリカ人はたくさん出てくる。
でもさ、当然のことだけど
そんな人間ばかりじゃあない。
このドラマの主人公はそういうマイノリティーの白人。
そしてアカデミー賞助演女優賞を獲得した
ジェシカ・チャステイン演じるちょっと足りない
グラマラスな人妻だ。
このあたりが国策映画や安っぽい社会派ドラマと
違うところですね。
黒人差別をテーマにしたものは
古くは『アラバマ物語』から
スピルバーグの『カラーパープル』とか
数々あるでしょうが、ワタシ的にはこれが一等かな。

タイトルにある「ヘルプ」とは、助けてではなく
ヘルパーさん、家政婦ベビーシッターのこと。
黒人女性に与えられた仕事であり
それは奴隷からの延長にあった。
でね、ここで皮肉なのは産みの親と育ての親の問題で
この黒人女性たちはその生涯で十数人の白人の子を
育てているわけです。
他人の子とはいえそこに情とか機微がある。
ところがその多くが成長するとそれも薄れるという
なんというヤンキースの薄情さ。
そうでもなかったのがエマ・ストーン演じる
キュートなヒロイン。
当たり前な感覚ですが、60年代アメリカしかも南部
環境のなせるワザとは恐いもので
エマもジェシカも少数派の変人なのだ。
価値観とか認識、偏見差別の恐いところだ。

「そういう馬太郎だって偏見差別の権化じゃいか」

なにを寝ぼけた戯言を。勝手にホザケ馬鹿。

差別って何だろう。

今朝がた、桜の花びらさん→hitoさん転載記事から
日本の朝鮮人、在日差別を考える。
今日に限ったことじゃない。いつも考えてるよ。
現在、ヘイトスピーチ規制法が施行されて
なーんとなく差別を是正してるように感じてる人は
多いと思いますが、
そもそもこの対立構造の根源は何か。
ただ、禁ずればいいという薄っぺらい発想自体が
この問題をどんどん先送りさせてしまう
そう考える人達は少ない。
多くは無関心で、良識的なようで冷たい。

なぜ、日本人は朝鮮人を嫌うのか。
肌の色も顔立ちもほとんど同じで
文化だって共有していたはずなのに。

もともと、日本人は中国人にも朝鮮人に対しても
差別偏見意識はなかった。
すくなくとも日清戦争日露戦争までは。
これを語ると長くなるし、この事は何度も記事にして
きましたからカットしますが、
要は戦後だよね。
日本の政治家たちがヨカレと思ったか
面倒臭いと思ったかテキトー過ぎたの結果だ。
ある意味で不誠実だったともいえる。
これは朝鮮人が求めてやまないソレじゃないぞ。
真逆の誠実さである。
これは、あくまでもこちら側の問題。

当然、あちら側の問題もある。
それは
朝鮮人の堕落。
これにつきますね。

どっちがいいわるいっていっても
キリがないけれど
こちら側はもっとしっかりしないといけない。
『 ヘルプ~心がつなぐストーリー~ 』では
差別や偏見を乗り越える手立てを
「勇気」と教えてくれている。

日本人に必要なもの
取り戻さなければならないものはそれだ。
臭いものにフタするな!