あかんたれブルース

継続はチカラかな

プライベートヒューマンライフ


WOWOWで『プライベートライアン』を
何年かぶりに観なおしまして改めて感動させられた。
冒頭のノルマンディー上陸作戦から度肝を抜く
臨場感溢れるリアリティーもさることながら
アメリカ映画スピルバーグ作品の
ヒューマニズムというものを考えさせられた。
といってそれは生易しいものじゃない。
そこは殺るか殺られるかの極限の戦場。
国際法国際条約など通用しない。
過酷な任務に苦悩する主人公の大尉。
戦場において、指揮官は敵を死傷させることよりも
部下を死なせる権限を有している
のだそうですが
この作品の後半で主人公がもらす
「一人死なせるたびに故郷が遠くなっていく」
という台詞には目頭が熱くなった。

米国人にとって
故郷、カントリー・祖国というのは格別なもので
フランス映画なら望郷
日本映画であれば郷愁?
と似てるようでちょっとニュアンスが違う。

で、宗教とか別として
アメリカ人の、アメリカ映画の主柱たる
ヒューマニズムというのを
まざまざと痛感させられるのが
この『プライベートライアン』だったのです。
リアリティー溢れる作品だから余計にね。
踏ん張りの土俵(際)
突っ張り棒みたいなものかなあ、と。

このあたりは同じ反戦映画でも
ユダヤ人から描いた『ヒトラーの偽札』とは違うし
ましてや日本映画とも異なる。
なんたって人情より義理を重んじるわけだもの。

ナショナリズムより
ヒューマニズム

そんな「イメージ」が過ぎった。
ついでにいえば
イデオロギーよりも、と。