あかんたれブルース

継続はチカラかな

紅蓮の餓鬼道


石井隆作品『GONIN』(1995年)を観る。
いやあ石井隆節炸裂で大変良いできばえでした。
先日酷評した『黒の天使』ワンツーとは月とスッポン!
不思議なのはこっちが『黒の天使』より前に撮られた
ってことでしょうか。
同一オリジナル脚本と監督なのに
なんでこんなに違うのだろう?

石井作品には名美というミューズが登場する。
今回はタイ人娼婦ナミィーとして輪廻転生。
パンチドランカーのホワイトナイト椎名桔平
犬死にせしものではありましたが良い役を選んだと思う。
きっと名美神話を語る場合には
外せない紅さんの一人となるはずだ。

それにしても
石井隆という人はいったい、いつどこで
名美という女性に逢ったのだろう。
彼の生涯に深く刻みこまれた名美の爪痕は
御歳七十を数えてもまだ生々しく疼くようだ。
愛は惜しみなく奪う
男はたとえ殺されても救いたかった。
愛は紅
紅蓮の炎
身も心も焼き尽くす。

これじゃあ新宿スワンなどヒヨッコですわ(汗)

俺の名美はゾンビのような化け物です。
おぞましく毒々しい
いっそあっさり殺されていまいたよ。
愛は惜しみなくはらわたを捩って絞ってかみ砕く。

佐藤浩市本木雅弘のキスシーンが美しかった。
『GONIN』★★★★☆(88点)