あかんたれブルース

継続はチカラかな

絶唱、根津甚八の散り花






先日、石井隆監督にまつわるブログ記事で
最新作『GONIN サーガ』に久々に
根津甚八が復帰したことにふれました。
「最期の根津甚八を観に、一瞬劇場に足を運ぼうかと」
それが28日だったんだけれど
その翌日、根津甚八は肺炎で死んでしまった。
本当に最期の出演、遺作になっちゃったよ。
第一作『GONIN』で唯一生き残ったが廃人同然の役どころで
石井監督のたっての熱望にこたえて
車椅子での現場入りだったそうです。
重篤だったわけだ。
報道でも引退後これが最後のカンバックと報じていたほど。
なんか俳優として劇的な最期だった。

石井隆にとって盟友根津甚八の死は
まさに戦友の戦死以外のなにものでもない。

根津甚八竹中直人椎名桔平など
石井作品には欠かせない常連俳優の一人だった。
盟友とか戦友という表現は決して誇張ではない。
根津もあの状態であれば
石井の熱望でなければ出演には応じなかったはずだ。
そして石井も何かを察していたんだろう。
そういう思いが目頭を熱くさせる。
一俳優の死を
これほど劇的に感動したことはない。
泣けて泣けて仕方ないないよ。
根津甚八は最期に自らの人生もって
最高の舞台を演じられたことでしょう。

石井さん有難う。
あなたって本当にやさしい人だ。

できれば、できることなら
もう一度、根津甚八に「村木」を演じさせて
名美を探させたかった。
上質なハードボイルドラブストーリーとして