あかんたれブルース

継続はチカラかな

明治という時代が生んだ「天才」といわれる人たち

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 明治には色々な天才が出現しました。
 その代表的なところで南方熊楠秋山真之におまけで明石元二郎を付けてみましょう。
 一人の民間人と軍人から一人と半分です。
 
 秋山真之司馬遼太郎の『坂の上の雲』の主人公のひとりで、
 日本海軍の天才作戦参謀であり、日本海海戦を大勝利に導いた立役者とされています。
 彼は試験の名人でそのヤマがドンピシャリ当たる。大変要領のいい秀才でした。
 が、それが故にこれからの人生でただ要領よく生きて往くことに疑問を感じます。
 兄・好古(陸軍・騎兵隊)に相談して海軍に入りロシアに勝つ事を人生の目標にするのでした。
 ここから秀才が天才に変貌したというケースがひとつ。

 真之の東大の同級生だった南方熊楠は真性の天才でした。
 彼の偉大な業績はここではふれません。
 ただ、秀才ではなかったので東大カリキュラム、試験についていけずに中退します。
 親が紀州の裕福な商家だったので、米国・英国留学を願って「粘菌」の研究に没頭していく。
 熊楠が先天的な天才だったというひとつの証明として、
 彼が霊的能力が異常に過剰に発達していたことが、そのエピソードによって知ることができます。
 少年時代の彼は天狗とよく遭遇して、それに導かれて山に入ると三日三晩里に帰らなかったとか。
 また、彼の精神状態が不安定になると多くの霊が彼を訪れ、癒し、悩ませます。
 天才と狂気は紙一重のようです。

 真之の天才性は膨大な情報の整理能力にあります。彼はその目的に必要な情報の仕分けの達人でした。
 現在なら情報整理はコンピュータで可能という指摘がありますが、
 真之の頭脳はそれを超越したでしょう。単なる整理ではなく臨機応変に必要の是非がなされます。
 ただ、マナーにうるさい海軍にあって、彼は異端児であり、とこでも屁をこき、いつでも
 ポケットには炒り豆を入れて始終ポリポリさせています。幹部士官の食事の場では
 自分だけ早飯で済ませるそのテーブルに足をのせて水虫の手入れをします。
 海外駐在中はパーティーに到着すると靴下を脱いで手を拭きご婦人に握手を求めます。
 その途中にトイレに行っても手は洗いません。また握手とダンスを求めます。
 ご婦人たちは災難であり、それを目撃した駐在員はめまいを起こしたそうです。
 日露戦争中、真之も霊的な何かを見て感じたようです。戦後、彼の興味はその霊的なものへ
 集約されていきます。その拠り所を「宗教」に頼ろうとしましたが満足できなかったようです。

 もう一人、陸軍の明石元二郎大佐も小便を垂れ流しながら熱弁を振るう奇人です。
 彼は真之以上に服装と清潔には無頓着な男で「汚れの明石」とい異名がありました。
 その彼が日露戦争中ひとりでヨーロッパの社交界に出没してロシア攪乱の大諜報をやらかし、
 ついにはロシア革命の引き金を引く役割を担うというのですから不思議なものです。
 天才的スパイ、大諜報活動家と言われています。

 三人には変人という共通点があります。
 真之と明石は日露戦争という歴史的なタイミングにめぐり会うことで世に認められました。
 戦後、真之はその場を失ってしまい海軍から厄介な存在として扱われてしまします。
 かといって秋山真之はもう普通の秀才には戻れない。
 明石元二郎の場合は天才というよりも変人のほうが勝っていたのでしょう。
 戦後さほどのこともなかったのでこの項では半分の扱いにしました。