わたしたちは「性」に比重を置き過ぎていると思うのですが、
どうでしょう?
また映画の話で恐縮なのですが、
洋画と邦画から性と無縁に仕立てられた役者(キャラクター)二件ばかし。
前者は世界の恋人、オードリー・ヘップバーン。
その全作品で相手役はすべて上下10歳以上歳が離れていました。
最長で『昼下がりの情事』のゲーリー・クーパーでしょうか。
最年少年下の恋人は『いつも2人で』のアルバート・フィニーか、
『ティファニーで朝食を』のジョージ・ペパードだった?
(↑)この作品、最初はマリリン・モンローの予定だったそうですよ(汗)。
確かに、オードリーに性は無縁。というかそんなものを求めない。
プラトニックな恋とキスだけで十分昇天しそうです。もちろんローマで(汗)。
いまでも色あせない、鉄壁の愛らしい天使だ。
後者は御存知、フーテンの寅こと『男はつらいよ』の渥美清演じる車寅次郎。
マドンナにフラれる宿命を背負って48本! 男は、つらいね(涙)。
一見、寅さんて例のシラノみたいですが、本人は常にやる気満々。でも
ツメが甘いというか、脚本も担当する山田洋次の悪意か、松竹の陰謀か。でしょうね。
それでも寅さんの台詞を噛みしめれば、ハメットもチャンドラーも脱帽の
和製ハードボイルドじゃあ~りませんか。
こっちは、脚本を担当する山田洋次の陰謀ですね。
けれども、マドンナたちはみんな無神経で自己中ばかり(涙)。
貴人に情けなし。といいますが、美人には感性のわびさびは、無い。
天然の無常だねえ。
でも、寅さんも悪い。
あれは『寅次郎あじさいの恋』でしたか。マドンナのいしだあゆみと鎌倉に小旅行。
なぜか甥っ子を同伴させて・・・そして口説けない。
クーッ、観客はヤキモキ!
「満男どうだった?」
「寅さん泣いてたよ」
そして寅さんは単線の京成電車で、旅に出る。
お決まりのワンパターンといえば、それまで。ですが、
実は身に憶えのあるハートに傷のある諸兄は多いのではないでしょうか。
へん、もうあんなヘマはやらねえよ。
夜風に負われて月に吠える。嗚呼、益荒男たちの夢のあと。
純愛・プラトニックラブの栄光は天使とフーテンが奏でたのであった。
作り事だと笑わないでおくれ。
まるで遠い日の花火のように、胸にキュンとくるんです。
恋の醍醐味は、コレじゃないのでしょうか。
(だけど、それが故にギャップがひろがるのかな~あ)
愛を訪ねて三千里(13)
男と女の渡るに渡れない大井川あたりだぞ。