フロイトの賞味期限
わたしたちが性に大きな比重をおく原因をつくった下手人。それは
現在の心理学や精神医学に大きな影響を与えたフロイトです。
彼の業績は偉大だ。それを否定はしません。
しかし、100年前の偏狭なユダヤ人学者の学説がいまだ信奉されて
そこから一歩も出られない学者たちが多いのも変な話です。
ニュートンは偉大だ。
しかし、それを疑った物理学者たちが
量子物理学という新たな一歩を踏み出したように
科学や常識は進歩していくのです。
常識とはその時代時代におけるもので、今日の常識が明日通用しなくなる。
歴史はそれを教えてもくれる。
はじめてフロイトを知ったのは高校二年の頃だったでしょうか。
当時、不思議な夢をよく見ていて、
小林三剛(東京易占学校校長・当時)の『夢占い入門』を買った。
ヘビの夢は縁起がいい。というアレです。
これが祖父の死を予見するなどあって、非常に興味をひかれて
勢いでもう一冊、外林大作(たぶん)の『夢判断』も読んでみました。
が、内容がまったく異なる。
外林先生はどこかの大学の先生でフロイトの夢判断をベースに書かれていたのですね。
わたしの感想としては、タンスもバットもドアも
なんでもかんでもセックスに結びつけいる。これでいいの?
でした。それから30年以上たってまだ納得できない。
最近の社会の閉塞やら鬱の蔓延やらを考察しようと
メンタルヘルスケアの本をよく読みます。
宗教家を別にすると心理学者・精神科医のものが多いですよね。
で、ふむふむと読んでると、時々「?」と思うところがある。
そうなの?
疑問は読めば読むほど増えていき、終いには懐疑や疑惑に成長していきます。
いえ、わたしは全面的にフロイトとかユングとか現在の心理学者や精神科医を
敵にまわそうなんて考えてはいないのですよ。
もう亡くなられましたが小此木啓吾なんて尊敬しています。
「たいがいのことは小此木啓吾で説明がつく」
大学で専門知識を学ぶ幻夜さんにぶつけてみたところ、彼女も同意だと。
そして、最近彼女は現在学ぶ専門知識では限界を感じると漏らしておられた。
フロイトが誕生したのは1856年。
まだキリスト教的な「性」の抑圧が強くあった時代です。
そして彼はユダヤ人だ。生まれた地はオーストリアです。ハプスブル王朝の。
こういった時代の環境もあると思います。
ひと昔まえの女性の欧米の精神疾患は「性の抑圧」にあると言われています。
敬虔なクリスチャンはその行為の最中にはしたなく声を出していけない。
とされて、非常にストレスをためたといいます。
こういった時代だったのですね。
だから、無意識のなかの支配者を「性」に結びつけてもさほど違和感はない。
まるで、「目から鱗」だったかも。
でもさ、今現在それほど性は抑圧されているだろうか?
どちえらかと言えば暴走気味。方向性を見失っている。
たとえば、メグ・ライアンの出世作『恋人たちの予感』で
彼女はドライブインで声に出してみせます。
「イエース、イエース、イエース、イエース、イエース!」
ただ、日本人はもとも「愛」の認識が曖昧だったので
違った意味で抑圧されているのかもしれない。
下手人は本願寺でも文部省でもない。
ただ、事態をここまで混乱させたのはマスコミ、メディアであり
直接の犯行は小説、映画、テレビ、漫画、ネットなどなどの
集団的継続的なものだ。
ってんじゃないかな〜あと、思うのでした。
愛を訪ねて三千里(16)
男と女の渡るに渡れない大井川でバタフライ中!
画像はフロイトだと色気がないので
キュートを取ったら何も残らないと告白したメグ・ライアンの『恋人たちの予感』。
とてもいい映画です。観ていない人は是非!