あかんたれブルース

継続はチカラかな

博士の異常な愛情



要は性格の話をしようとしているわけだ。
ようやくそれに本人も気づく。いまになって!

ところで諸君
ジギリハイジを知っているか。

なんとなくジキル博士とハイド氏のパロディーからの
ネーミングってわかってもらえたら幸いですが
そう、人間の性格の多重性だ。
普段は温厚なジキル博士がときどき凶暴なハイド氏に豹変する。


ジギリハイジの場合は
普段が非道いジギリ女なんだな。
性悪女、悪態と悪徳にまみれて悪意のなかに棲んでいる。
五分間の呼吸のなかに鼻を鳴らすのが平均4回。
相手の話に皮肉を添えるのがワンセンテンスに0.7回。
一小節に舌打ち一回。

不平と不満と苛立ちと否定と批判と拒絶と罵倒のなかに棲んでいる。
そして沈黙しているときは冷酷な現実主義者だ。
まるで越後の高利貸しお熊婆さんのような
川崎のやり手婆シゲミさんのような
神戸の古物商坂口征子のような
小倉のタバコ屋の・・・

まあそれがそうならそうで別にいいんですが
ときどきハイジが顔を出す。
純情可憐で一途で素直でさびんしんぼ

厄介なんだ。

要はツンデレとか
男でいったら「だめんず」みたいな
暴力は振るわないけれど暴言は吐き散らす
学識名称を「だめんた」としました。

「昨日はごめんなさい」

罵倒の台風一過のあとで
ニンフのように囁くハイジ
昨夜の性悪女とはまるで別人だ。

心霊CTスキャンによると
性悪のジギリが性格の表面を覆い
その奥に幼いハイジが泣いているという。
はやくなんとかハイジを助けないと・・・
ジギリのブラインドの隙間が日増しに狭くなって
ハイジを見失ってしまう。

まずは筑波大学で現代心理学を学んで
電通総研でマーケティング心理学を
野村総研で投資心理学と
サイコハンターウマターローターになって帰ってきたよ。

ジギリ、ここに座りなさい。

「ふん」

なんだその態度は! なんていってはいけない。
基本中学生の反抗期のようなものです。
頭ごなしに高圧的に指導しようとしても反発するだけ。

ジギリとハイジを分離して
ジギリを駆逐し封印してしまおうと考えていた。
これが間違いだった。

たしかにジギリは後天的に人工的に作り上げられたものだ。
しかし、それはすでに彼女の人格に解けこんでいて
そうやすやすと離れない。一卵性双生児プリマハムのようなものだ。

北風と太陽の喩えのように
それを力でねじ伏せて吹き飛ばしてしまおうと
性急にやっても余計に抵抗を強めてしまう。
ここはポカポカの太陽で
その鉄の鎧と仮面を
あああ、あっついと自ら脱がさすように仕向けねばならない。
陽だまりのバターのように溶かすのだ。

そこでだ、ジギリ。んん、ん、いない・・・

とんずらしやがった(汗)。