魔と呪（13）
クロちゃんが欲しかったクラウン。
ほんとに、どこまで、それが欲しかったんだろう？
とっても欲しかったのかな？
多様化の時代という。
でもほんとうに多様化しているんだろうか。
どっちかていうとパターン化、画一化じゃないのかな。
クロちゃんのクラウンと
オバちゃんのグッチ
ネエチャンのシャネル
オヤジの若い女
ホントに海外旅行に行きたいの？
それが欲しいの？
食べたい？
わたしは行きたいとか何が欲しいとか食いたいとかない。
たまに、こし餡の饅頭食いたいなあ
とか、一年に一回くらいケンタッキーが食いたいとか
は、あるけれど、そんなものですかね。
よく、欲望というものを人間の本能というけれど
私達は何を欲しているのか、何が足りないのか
わかっているのだろうか。
なんか欲望さえもあてがわれて、
そういう本能さえ麻痺してるんじゃないか？
居酒屋で注文するビールのように
とりあえずって感じじゃないのかな
とりあえず、お付き合いして
とりあえず、結婚して
とりあえずの人生。
わたしはとりあえずでは満足できなかった。
すべてに飽きてしまった。
テレビで水産高校の鰹の一本釣りの実習を紹介していました。
鰹の群れに撒き餌を投げて疑似餌で釣り揚げるのですが
タイミングを逃すと鰹はお腹いっぱいになるとまったく反応しない。
鰹や鮪でさえもこうだ。
ライオンだってお腹一杯だと目の前にインパラがいても反応しない。
足るを知るという言葉があります。
人間はそれがわからない。
もっともっと、と
限りなきものそれが欲望
なんて歌があったけれど
はたしてこれは本能といえるのだろうか？
なんか騙されているような
いや、それ以前に
私達は本当にそれを求めているのだろうか？
あなたは何が欲しい？
