あかんたれブルース

継続はチカラかな

おふくろさんよ

人権の暴走(2)


よく聞く話に、小学校の運動会で
みんなで手をつないでゴールするとか
学芸会でみんなが主役とか

ここにも平等と人権の呪縛、暴走がある。

と思えば一転、競争原理を持ち出して
平気で都合の悪いものや規格外のものは
排除しようとする。
まったく建前と本音がトチ狂った社会です。

それでうまくいくんならいいでしょうが
どんなに詭弁を弄しても
現実にうまくいかなくなったわけだ。

あれこれ問題点を指摘するのは時間の無駄なので
はしょります。すっ飛ばして

みんなで一緒にゴールの改善策は
早い子遅い子普通の子とかの能力別に
分けるんでしょうね。
これは既に実施されているようです。

それさえも否定する人たちもいるけれど
なんのための運動会なのか、
もう一度考えてみるべきだ。

それで問題があるというなら
クラス編成を細かくすることでいいんじゃないもかな。
競馬でいえば別定戦とあハンデ戦みたいなものです。
それでも問題があるというのは
問題の根本の問題ですね。なにそれ?


学芸会のみんな(桃太郎)主役については
群像劇にアレンジするっていう手もありますが、
それはきっと小手先の方策でしょうねえ。

これも、なんのための学芸会なのか
考えてみる。

学芸会も学習、授業の一環だ。
親のための興行じゃない。
(保護者はスポンサーじゃない)

ここに主役が得だという一般常識があります。
そりゃねえ、誰でも我が子が主役だったら嬉しい。
しかし、学芸会は親のためのものじゃない。

最初に学芸会の非を唱えた人には
それなりの正当な思いもあったんだと思う。
けれども
そこには、主役は良くて脇役はダメで
可哀想という
考えがあったはずです。
それを後押ししたのが平等思想とか人権だ。

でもね、主役が、トップが、リーダーが得って
考えは間違っている。
主役や、トップや、リーダーは損得論からいえば
損だと思う。
責任が伴う。なにかあれば批判されるし
事の成就にモロ関係するから
プレッシャーやストレスも大きい。

親の願望が子供達をみんなリーダーに
向かわせるけれど
仮にみんながリーダーってことは
現実的に有り得ない。
リーダーの条件は損を覚悟で出来る
精神魂胆が必須だ。

良い学校から良い会社、そしてリーダーへ
という権利取りみたいな幸せ伝説が支配している
現実が存在しますが、結果どうなった?

差別を擁護しようというのではありません。
問題は価値観の問題だ。
また、現実的な話です。

現在、産業の空洞化という問題がある。
無論、そこには経済不況があるわけですが、でもね

経済の基本は流通なのだ。

産業の空洞化のなかに、
人材の需要と供給の問題があり
就職浪人の問題にもこれはある。

農業、水産業林業、介護、中小企業などなど
様々な業種職種にうまく人材が循環されるから
経済はまわっていくものです。
しかし、そういった職種は不安定で損だ。
まず、施政者がやらないといけないのは、
その改善だと思う。
が、そんなの待ってる我慢比べはもう限界
じゃないのかな。

わたしはよく祭りの御輿の話を喩えにしますが
御輿は担ぎ手がいるから、成り立つ。
みんなが御輿の上に乗ろうとして、
誰も担ごうしなければ
成り立たない。御輿はやめ。となってしまう。

担ぎ手は損じゃない。

これは、御輿を担いだ人間ならわかると思う。

まず、担ぎ手には担ぎ手の誇りがある。
それを下支えしているのは、周囲のねぎらいだ。
御輿はね、町内の要所要所で休憩所がある。
そこでみんなに褒められる、
ねぎらわれる、拍手喝采だ。
酒をおでんをソーセージを振舞われる。
よくやったよくやったと爺も婆もおじさんもおばさんも
みんあ笑顔で褒めてくれる。これが嬉しい。
だから来年も担ぎたい。

御輿なんてもは非合理なもので100メールぐらいの
中間目的地点の間をゆっくりゆっくりねりあるく。
普通に急そごうと思えば、前と後ろで二人で運べば
ほんの5分です。
これを30人、50人で担ぐと重いのだ。
ある意味、無意味な作業だ。
それがみんな嬉しくて嬉しくて仕方ない。

馬鹿げたことだと思う?

しかし、これこそが社会の成り立ちなんだと思うよ。


学芸会の話に戻して、
親がさ、ほめてあげるべきだと思う。
主役でなくても、脇役でも、馬の足でも木でもカラスでも
主役じゃないとダメなんていう考えは
結果的に我が子を追い詰めてしまうものです。

勝ったから、主役をとったから
それで褒めるのはある意味簡単です。
でも、人生は、現実は、そうそう勝てない。
負けるほうが断然多いはずです。
そういうときにこそ、よくやったとかよく頑張ったとか
褒めてやる、そこから奮起させて伸ばしてやる。
難しいことじゃない。
可愛い愛しい我が子じゃないないか。
できます。

それができないという親は
うり坊の言葉を借りれば「勉強不足」。
馬太郎が率直に言えば
見識のない、浅はかな、馬鹿親だ。



(本日の名言)

お前もいつかは世の中の傘になれよと
教えてくれた
あなたのあなたの真実

森進一「おふくろさん」より