あかんたれブルース

継続はチカラかな

少数派が救う



昨夜は大河ドラマ平清盛』最終回だったのに
「世界が称賛!日本人が知らない泣ける日本人」
という民放バラエティー
ついつい最後まで観ちゃった。

オープニングの日本のシンドラー杉原千畝
大迫辰雄が良かったんで、ついつい
トリの35度線のマリア・望月カズまで
とっても感動した(涙)!

番組構成は別として、私的には
「差別」と「偏見」
そして、日本人の美徳に感じいった(感涙)。

1938年(昭和13年)、ロシア通の外交官・杉原千畝
ユダヤ人迫害が渦巻く欧州リトアニアに派遣される。
そこでユダヤ人6000人の日本への出国ビザを
独断で発行するのです。
この行為を外務省は同盟国ドイツの手前、
決して認めるわけにはいかなかった。
それもあって、後に杉原は外務省を追われる。

ひとくに6000人といっても
すべて手書き、すべて杉原一人でやるんです。
しかし、その一枚に人一人の命がかかってると
考えると、杉原は不眠不休を続け
移動命令によって杉原自身がリトアニアを出国する
列車のなかでまで痛めた手を酷使して描き続ける
その姿には、感動した。

難を逃れた6000人のユダヤ人たちは
シベリア鉄道から極東のウラジオストクに辿り着く
そこからビューロー(現JTB)の船員・大迫辰雄らに
よって日本に輸送されます。

日本は日露戦争のとき、ユダヤ資本に助けられた
というのもあって、また宗教的な対立もなかった。
当時の世界でユダヤ人差別は鮮烈で
英米でさえも例外じゃなかったのです。
日本だけ例外だったんだ。

また、番組では紹介されませんでしたが
杉原以前にも3万人近いユダヤ人を救った
樋口季一郎少将、安江仙江大佐という軍人もいた。
樋口少将は関東軍特務機関なので
放送には色々と問題があったんでしょうかね。

樋口がナチスの人種差別政策に激しい憤りをもち
立ち上がった背景には駐在武官時代に
東洋人であるとして自身が差別を受けたからだった。
そんななかで、あるユダヤ人家族だけが
温かく迎えてくれた経験があったからだった。

軍人だから、関東軍だから、特務機関だから
みんな悪人ってことはないんだよ。

ユダヤ人が世界征服を目論む悪人結社ってこともない。
そういった陰謀説を唱える連中の知能レベルは
仮面ライダーのショッカーのトラウマが抜けてない
偏見と固定観念の塊だ。

そうクギを刺したおいて
杉原のエピソード
彼はバツイチで前妻はクラウディアという
白系ロシア人でした。
杉原が満州ハルビン勤務中の話ですが、
離婚の原因は、妻のスパイ容疑を関東軍
流されたから。
杉原は関東軍の横暴を許さない
気骨のある外交官だった。
しかし、嫌がらせとして姑息というか陰険というか
日本人の風上にもおけない関東軍の馬鹿軍人ですね。
こんなのが多かった。
だから樋口少将なんかは少数派。
いつでも真っ当な連中は少数派なんだ。

杉原はクラウディアとその家族に
全財産ぜーんぶ渡して無一文になって帰国。
欧州行きはその後の話です。
でも、いいねえ杉原千畝。男だねえ(涙)

時代は戦後に移り、
朝鮮戦争の頃に韓国に渡った望月カズが
(当時二十代前半だったようですが)
そこで孤児達を育てるという話だった。
学歴もない、手に職もない、お金なんてない!
自分のことさえままならない若い女性が
血縁もない見ず知らずの韓国人の孤児を世話する。
(最も多いときで50人も抱えたことも)

一番つらかったのは、そんな彼女を
「日本人は出て行け」と差別する韓国人。

腹立ったけどね。お前等の国の孤児を
世話してやってんだろうが!

ま、でも
そんな馬鹿ばっかりじゃないよ。
韓国でもいろいろな支援者があったはずだ。
そんなことを考えて落ち着かせて観ました。

こういう人達の人生や生き様、損だと思う?
わたしは幸せだと思うなあ
立命っていうものを意識させられる。



偏見と差別

民主主義は多数決の論理を大義名分にする。

でもね、時代は常に少数派が作り
少数派が救うのだ。
どんな時代にも流されない少数派である
そのことを誇りにして往きようよ。

と、歴史は教えてくれる。