あかんたれブルース

継続はチカラかな

自分とハサミは



七年周期説でそのステージをいい加減に
やってたら次はそれに見合ったステージにいく
と説明をしたけれど
「じゃあダメじゃん」と絶望し自棄を起こす
人もいそうなので、補足します。

人生に無駄ってことはないってことです。
失敗もまた経験だからね。

近現代史で創業者とか立志伝中の人物を
調べていると、約半数近くが
どうにもこうにもならないアホだった
って事実がある。

肌着のグンゼの創業者波多野鶴吉とかあ
大原財閥の創始者大原孫三郎とかあ
郷誠之助とか松永安左ェ門とかみーんな放蕩者。
なにかの切っ掛けがあったのだ。
それは別れだったり出会いだったり
失敗だったり病気だったり不運だったり色々

裕福だったからってことでもない。
悲惨な環境から極道やってた者もいた。
よくやくざが改心してって話を聞くよね。
大日本正義団の組長が神父さんになったとか
中村天風なんかもこっちの組かなあ
人斬り天風って恐れられていたんだよ。
それが啓蒙家になっちゃうんだからねえ(汗)

昨年の秋だったかなあ・・・テレビで
千葉にある薬物とかアルコール依存症患者を
社会復帰させる施設を紹介していた。

そこの寮長のなんとかさんが立派な人でねえ
年齢はもう70近いんじゃないのかな
訳アリ厄ネタ問題児を全面的に受け入れる
その姿勢というか魂胆、面構えが違う。
で、ふと半袖の腕から、墨が・・・

そうこの寮長も極道やってて
薬物中毒者だったんだって、それで立ち直って
その恩返しみたいなもので残りの人生を生きている。

いい顔をしていた。

この寮では先輩入居者が後輩入居者の世話をする。
なかにはパーになってる障害者みたいなのもいて
風呂の世話とかしてあげるわけだ。
頭洗ってあげたりしてた。

なんか偉いもんだなあと思った。
一般社会で彼らはダメな人間です。
意志が弱い人間とか必要とされない者たち
そういわれる人たちだ。

でもさ、そうでない人たちでも
ああやって他人の手助けができる人が
何割ぐらいいるんだろうかなあ。

そうこうしてるうちに寮生がまた問題を起こした。
寮長は気負うことなく対応していく。

無論、この人の過去を知る人や迷惑をかけられた人は
なにをいまさらと目をそむけるのかもしれない。
でもさ、そういったことを一番知ってるのが
本人なんじゃないかな。
そういう重荷を背負いながら健気に生きている。
わたしはこの人の過去を知らないし、
直接被害を受けていない
からかもしれないけれどそれはそれで感動するね。

たいへんな遠回りでしたが
でも、そういうふうに生きられて
良かったですね。と思う。

麦焼酎のCMのコピーに
「近道は遠回り 急ぐほどに足をとられる
 直線で結べない道がこの世にある」

というのがある。あるんだな

この施設からはたして何人
立ち直れるのかはわからない。
でもね、無駄なことはなにもないんだ
そんなことを思った。

どんな体験をしても変わらない人も多い。


「身を持ち崩す」

ヒヤリとさせられる言葉だ。
この言葉がいつも
喉もとに突きつけられている気がする。
わたしの実家は港町漁師町で男どもは気性が荒く
そういうオヤジたちがたくさんいました。

そこを離れて都会に出ても
カタチは違うけれど
そういう人たちをたくさん観てきた。
見失ってしまう人たちはどんな時代にも環境にも
たくさんいるものだなあと思う。

なんにしても
生かすも殺すも自分次第だ。

持ち崩す身であれば、まず捨ててしまうほうがいい。
そんなもの後生大事に守るほどのものじゃない。
そう書くと、死ねってか!
と馬鹿な捉え方をするのもいるけれど
そうじゃないだろう。
よく読めよ、察してくれよ。

「事の善悪は、その人の決心ひとつで定まる」