あかんたれブルース

継続はチカラかな

シンクロナイスアプローチ

仏の顔も三度笠 (7)


次のキーワードは「介護」だった。
この問題はわたしたち世代であれば
みんな共通に抱えている問題だと思う。

知り合いが夜の勤めから介護の仕事を始めた。
根を上げるかなあと思いきや
なんとはつらつとやってる。
接客業と介護職の共通性は彼女が教えてくれた。
なるほどでした。

そのなかで愛憎のしがらみのある
ママさん(彼女の前の雇い主)が
実は彼女に老後の介護を
求めていることを知ります。
お金はあっても、信じられる人が
いないんだね。

スティーブン・キング原作で
映画『黙秘』というサスペンス作品がある。
主演は『ミザリー』のキャシー・ベイツ

ニューヨークでジャーナリストとして働くセリーナは、故郷メイン州の小島で暮らす母ドロレス・クレイボーンが、メイドとして仕えていた富豪ヴェラ・ドノヴァンを殺害した容疑で逮捕された事を知り、故郷に帰る。
ドロレスと久々に会い、事件の真相を聞き出そうとするセリーナであったが、ドロレスは無実を主張する一方で、詳細については一切黙秘する。
その真相は20年前のある日食の夜まで遡る。ドロレスは暴力を振るう夫ジョーを殺害した過去があったのだ。そして、セリーナはその事件と今回の事件の真相を知る…。

家政婦として働くドロレスは
雇い主ヴェラ夫人の厳しい戒律に
辟易しているのですが
ふたりには密かな信頼関係があった。
それをどこまでドロレスが理解していたかは
わからない。
その信頼関係は介護というなかで芽生えていった。
そんなキレイごとではない。
愛憎の糞まみれの現実的な営みのなかで
冷酷なヴェラ夫人はドロレスを信頼したのだ。

作品はサスペンス、ミステリー以上に
ヒューマンドラマとして傑出していた。
さすがスティーブン・キング
ただのホラー作家じゃない。

子育ては楽しいといった。
そんなわたしが
親の介護が気が重い。
恥しいはなしですが、これが本音です。
その意味で、この作品はひとつのヒント
といか背中をおしてくれるもので
なんかとても感動してしまった。

わたしたちの母親も今年で86歳。
わたしと幸子にとっては切迫してきた
現実問題です。
幸子は結婚していない。
だからといって彼女にすべてをまかせる
わけにもいかないし・・・

なんで、こんな時期にこのタイミングで
こんな作品を観るのだろう?

偶然といえばそれまでですが
たんなる偶然と思えないことが
たくさんあるんだ。
引き寄せている。