あかんたれブルース

継続はチカラかな

ルネッサンスのようなもの

バックボーンフリー(3)


政教分離に引っかからないで
日本人の精神的支柱、バックボーン
スピリットになりえるもの

結論から先にいうと、それは「自然」だ。

自然崇拝、共存、共生。

誰彼に上から目線でうるさくいわれなくとも
こういうセンスが日本人は備わっている。

都会で生活していても
海や山を恋しがってしまう。
そういうのは日本人だけじゃなく
人間すべてそうなんだろうと思います。

ただ、日本人が仏教伝来以前の
土着信仰として、またそれ以降も
ずっと持ち続けてきた価値観だった。

仏教が日本に渡来したのは欽明七年(538年)
六世紀の頃。
このとき蘇我氏物部氏の間で宗教紛争が勃発。
実際は権力争いですが
物部氏が敗れてそれ以前の日本の神々は
風下に追いやられた。
神道もずーっと仏教の下に追いやられて
これが明治維新まで続きます。

日本の仏教の宗派の宗祖は
それぞれに偉い方々ですが
その後がねえ・・・
日本の仏教教団は結局、はじめから
ずーっと権力に利用されそれにすり寄って
生きながらえてきた。仕方ないといえば
仕方ないのですけどね。

日本の仏教だけでも
どれぐらい宗派があるだろう?
天台、真言、浄土、真宗日蓮宗
禅宗臨済宗曹洞宗・・・
さらに分派され、仏教系の新興宗教まで
いれると大変な数だ。
それに神道系が入って
日本の宗教人口は総人口より
はるかに多い倍近くの信者数の理由は
一人でお寺の門徒と神社の氏子になってるから。
ダブル登録のせいです。

クリスマスを祝って除夜の鐘を聴き
初詣にいく。
教会で結婚式をあげて子供ができたらお宮参り
死んだら坊主を呼ぶ。

それでまったく問題ない。

こういった感覚は
キリスト教徒やイスラム教徒には理解できない
でしょうが、日本人は別に気にしない。
そういう民族なのだ。

要は仏教伝来以前の、八百万の神々。
この祟り神やら竜神様だとの多くは
自然宗教自然崇拝から発している。
アニミズムとかナチュラリズムとか
実はこれが意外や意外
ずーっと根付いているのが日本という国
日本人とその文化なんですね。

島国で海に囲まれている
気候は温暖で四季がはっきりとしている
起伏の多い地形から自然の恵みも豊富ですが
地震や災害も多い。
そういうなかに
自然崇拝の土壌があったわけだ。

そういうのは土木建築にもよくあらわれている。

一神教キリスト教文明では
50メートルの津波があったら
60メートルの堤防を造る。
自然を人間の力で支配しようという
自然<人間<神 の発想。

日本人はそうじゃない。
段々に堤をなだらかにして
津波の力(怒り)を弱めようと考える。
はなから自然を支配しようなんて考えない。
人間<自然(=神)

明治期に欧米合理主義が入ってきて
近代化の洗礼を受けても
この思想発想はそう変わらなかった。
現在の工法や免震技術なんかも
そこからです。
建築やってる人はよく知ってると思う。

これが、日本人の核だ。

宗教とかにあまり被れない
民族の理由には
「自然」というものを感じる環境と
センスがあったからだ。