あかんたれブルース

継続はチカラかな

かげんのわからん月ちゃん

ミネルヴァの焼豚(2)


過ぎたるは及ばざるが如し
なんて申します。
何事もほほどの頃合ってものがある。
鬼平犯科帳でお馴染みの池波正太郎
「いいかげん」という尺度を提示しました。

いいかげんっていうと捉え方によって
デタラメともなりますが、ここでいうのは
無論「良い加減」です。お風呂とかの

これに似てる思想で沖縄から南九州に流布されている
「テゲ」思想というのがある。
沖縄出身のグループ・ ビギンなんかが言ってますよね。
コンセプトは?「テゲです」って(笑)
テゲテゲとダブルで重ねて使ったりもする。
「馬太郎さ~ん、洗濯は済んだなあ?」
「テゲテゲよ」みたいな。

現代社会ではこういう弛みが許されない。
管理社会っていえばそうなんでしょうが
四六時中380度全方向的に緊張してないといけない。
そんなの無理だって(汗)
というと
「そんなことはあってはならないんです!」
と、何か問題が起きると喚く、あんただれ?

無論、テゲ思想はデタラメだけをいうのではなく
手を抜く所はほどほどにという塩梅であって
プロフェッショナルは手を抜くところを知っている
わけです。それがプロなの。

さて、過ぎるというお話でした。
このちょうどよい度合いを超えてしまうところに
過剰がある。バブル崩壊があります。
バランス感覚がとれない、無粋がある
丁寧すぎ出て慇懃無礼があったり
贔屓の引き倒しもここにある。
過保護もあれば、食べすぎ胃のもたれもある。

わたしが小さい頃から顔をしかめるのは
力の加減を知らないバカガキの友人たちだった。
げらげら笑っていいかげんにしとけと
叩いてくるんだけど(本人は愛情表現のつもり)
力の加減がわからんバカでホントに痛い。
仕舞いにはそれがもとで喧嘩になったりする(笑)。
うちのカミサンがこの「気」の人です(涙)

こういう奴とキャッチボールをすると
まだ離れていない至近距離で全力投球してくる。
「危ないだろうが!」
といっても本人よく理解できていない(汗)

バカか・・お前は・・・

何が問題なのかわからないんだ。
笑ってるよ(汗)
自分の剛速球にわたしがビビッたとでも
思ってるいるのか
それとも楽しくて仕方なく興奮状態のまま?
まあ悪気はないんでしょうけどね
カンが悪いわけだ。
距離感がとれないんだね。

ビートたけしのあれはなってタイトルだったか
忘れましたが浅草時代のエッセイで
相方の芸人がオカマバーのホステスと付き合ってた。
これが元自衛官でマッチョな大男なのですが
気立てがよくてよく尽くすオカマの鑑
それに調子こいてヒモ気取りの相方芸人(きよし?)
は酒に酔っては殴る蹴るの理不尽な暴言DVだ。
「あんたやめてやめてごめんなさいワタシが悪かった」
「うるせえ馬鹿野郎この汚ねえオカマ野郎」
「痛いやめてお願い堪忍して」
それでもやめない。と、ぶちっと何か千切れる音がした

「痛てえって言ってるんだろうが!」

可憐なオカマちゃんが一転して
肉体派元自衛官に一瞬に豹変です。
そんじょそこらにやくざより凄いわけだ。

「えっ、ちょちょっと・・・」

もう遅い。さっきのは堪忍袋の緒が切れた音だ。
後は筆舌に尽くせない阿鼻叫喚の地獄絵。


コッポラの映画で『レインメーカー』っていう
訴訟法廷ドラマがあります。
正義感溢れる青年弁護士が悪徳保険会社を凹ます。
倍返しならぬ100倍返しだ。
賠償金はなんと5000万ドル也!

まさに訴訟大国、まさにアメリカンドリ~ム

しかし、悪徳保険会社はこれであえなく倒産。
それでお仕舞い。
だ~れも責任はとらない。
他の被害者も置き去りにされたまま・・・
この会社の役員らはまた新しい会社を
拵えることでしょう。

そういう意味で違った意味で
非常に考えさせられる
問題作でした。
わたしは大のコッポラファンなので
この問題は意図的なものだと
まだ信じてますけどね(笑)。