あかんたれブルース

継続はチカラかな

エイリアンからの手紙

うつろいやすいのは世の常(2)


マツコやうさぎに共通するのは
マイノリティー(少数派)だってことだ。
そこには疎外感が宿命としてある。
それを孤独とせず孤高とするのは
彼女達のプライドであり
それを支えるものはアイデンティティーだ。
マイノリティーとして生きるには
これは必須のものなんだろう。
こだわりだよ。

わたしがよくいってる少数派と多数派の逆転
これはそれまで弱者とか排斥される側にあった
者たちが多数派となっていったとことを指す。

うつ病など精神疾患にかかったことのない
者たちのほうが断然すくなくなってしまった。
厚生労働省の数字はあてにならないし
毎年そのデータは更新されている。
もっともそれは氷山の一角であり
グレーゾーンは日本列島をねずみ色に染めている。

この弱者たちはコミュニティーを形成する。
この村社会は巨大化しているだろう。
ここではある戒律が支配している。
弱者の正義は強者を否定することであり
また共同体の存在を脅かす異端者を排除することだ。

だけでなく、弱者のなかでカースト制もある。
ネイティブかそうでないか、偽者か屁タレかなのだ。
それ以外はエイリアンでまったく別人種である。
ネイティブかそうでないかは症状の重篤もしくは
より悲劇的でなければならない。
ここに複雑な嫉妬と優越感と差別意識が生まれる。
可哀想でなければならないのだ。
不幸自慢の自己主張こそが
そのコミュニティーでの市民権を証明するのだ。
欝を笑いになどする者は症状が軽い屁タレで
欝を軽んじて宣伝する不届き者とされる。
あくまでもどこまでもネイティブはネガティブで
なければならない。

そして彼らはそうでないものに懇願する
「理解してほしい」と
しかし懇願はカタチだけのもので
それは強要なのだ。
それはまるで腫れあがった腫れ物で
ちょっとでもその思いに反すれば弾けてしまう。
そして「あの人はなにもわかっていない」
うつ病を患ったことのない者に
うつを語る資格はない」と罵るのだ。

弱者を武器にして人質にする
その行為に
そうでないものは理解どころか距離をおく
ことばかりを考え注意をはらう。
当たり障りなく、肯定していくしかない。
そして徐々に気づかれないように離れていくのだ。
対してネイティブのコミュニティーは肥大化し
そうでないものはマイノリティーに追いやられていく。

ひとつの組織力学が静に働いている。

本来、この問題の根幹は
薬物依存にこそあるのだけど
それ以前にこの少数派と多数派の逆転が
大きな障害となることだろう。

病気と認識することはいい。
ただし、人間が求めてやまないアイデンティティ
というものは多数派のぬるま湯では芽生えない
ものである。
ましてや、病や障害というものに
自分の居場所を求めるのはとても危険だ。
他の者がそれを求めようとかまわないが
君には絶対にそれはさせない。
そっちに行くな。地獄だぞ。

とことん邪魔してやろうと思います。