あかんたれブルース

継続はチカラかな

まるで魔法のような愛の力

愛する技術という発想(46)


それは奇跡、というよりも
まるで魔法のようだった。

先週土曜日の報道特集
認知症のケア「ユニマチュード」を紹介していた。
幸子から観てみて!ケータイ通達で
テレビを着けたのはその途中からでした。
相も変わらぬ出口の見えない現実・・・
ある介護施設の重い認知症老人を取材しいている。

あれじゃあ介護士も大変だよな
「一生懸命やってるのに怒鳴られたり
 暴力をふるわれそうになったり
 もうどうしていいかわからなくなります」
若い介護士が嘆いていた。
途方にくれている。離職率も高いという。

そういった状況の映像に
事細かにレクチャーする外国人
彼がフランスで認知症のケア「ユニマチュード」
を実践しているなんとかさん。

ベッドの位置、介護者の姿勢からの目線など
ちょっとしたことが患者の心を閉ざしてしまう。
手をそういうふうに掴んではいけない。
などなど
でもさあ現場はそんな状況じゃあ・・・

ところが、そのフランス人が実際に
その施設に来て、ほんの数分介護士たちに
レクチャーして、あの問題の患者の病室に入った。

ちょっとしたこと
声のかけ方、接し方で
患者の態度は豹変。いつもとまったく違う!
外人だから通訳を介してだよ
そして立って歩いた。
ここに入院してはじめて歩いたそうです。
ずっと寝たきりだったんだ。
笑顔が!
看護士の後ろに一人の白衣の医師がいる。
彼はこの患者の息子だ。
「ここに来てはじめて親父の笑顔をみた」
と目頭を熱くして感動していたよ。

さらに奇跡は続く
外人が病室を立ち去ったあと
今度は一人で、この患者が自分から
自分で立ち上がって
もっと歩きたいという。
無論、介助されながらだけど
もう一度院内を散歩する老人の顔から
笑顔は絶えない。

なんだろうねええ・・・
これを奇跡というのなら
それは愛の奇跡だ。
これを奇跡というよりも
私たちは大きな思い違いをしていた
のかもしれません。

たったこれだけのことで
愛はやはり力だ。