あかんたれブルース

継続はチカラかな

マッチョでイケメン鄭和の融通

分福もののけ漫遊記(6)


お土産屋の主人から
鄭和の屋敷の場所を教えてもらって
分福と一緒に杜子坊は向かった。
政府高官だという鄭和の南京仮住まいは
それでも絢爛豪華なものでした。
門番に案内を申し込むとすんなり通された。
そして広い邸宅の応接室に。
しばらくすると体格のよい美太夫が現れた。
「いやああ、イケメンでござるなあ
 彫も深いし外人さやないか。中国人と違うで」
「ははは、私は漢人じゃないんだよ」
「こら失礼なことをいうんじゃない」
「すんまへん」
「いやかまわん。私はアラブ系の血筋で
 預言者ムハンマドの子孫なのだ。
 祖国は元に帰順しておったのだが
 明に破れてその戦いで捕虜となって
 今は永楽帝に仕えているのだよ」
「でも男前もそうやけどマッチョやわ
 ゴッツ好みやで『300』出てへんかった?」
「分福、鄭和さんは宦官なんだぞ」
「宦官?宦官って金玉抜かれたオカマやろ」
「おい、言葉を慎めよ」
「宦官っていうたら宮廷の男子禁制の大奥で
 政治を裏から操る悪の権化やないか」
「宦官にも色々あってな。そういう文官もあれば
 私のような戦うためだけの戦士もいる。
 私はそういうなかの一人にすぎないのさ」
「いやあなんか切なくてエエ感じやわ
 ちょっとアンタ見習い」
「えっ、ひとつよろしくお願いします」
「ところで、和氏の璧を探しいるそうだが」
「はい、カクカクシカジカで・・・」
「なるほど、あれは今回の西洋下りの航海で
 土産品として購入したものだ。
 倭国からは粉ミルクとか最近は目薬が人気かな。
 和氏の璧は偽物だけど中東でも有名だから
 一個300円に値切って200個オトナ買いしちゃった」
「うわああ商売上手やわあ」
「それがそんなに必要ならやるよ。
 いや貸してあげる。どのみち呪いが解けたら
 必要ないんだろう。その本物とやらを
 返してくれんだったらこっちは大儲けだ」
「話の早いイケメンマッチョやでえ
 そのへんの役人とか看護士とかとは
 ワケが違う。大物やわ」
「ではお言葉に甘えて。必ず返却します」
「じゃこの借用書にサインしてね」
そして、倉庫にある200個の和氏の璧から
ブラックライトをあてて本物とおぼしき
和氏の璧をゲットしました。
なんか展開が早いねえ。次回で最終回かな・・・