あかんたれブルース

継続はチカラかな

天津の桃栗三年柿フライでどうよ

分福もののけ漫遊記(26)


桃源、桃源郷とはどこにあるのか。
伝説ではよく聞くが誰もいったことはない。
また行けたとしても帰ってきたものはいない。
どこにあるのか誰も知らない。
徐福はそこへ行けという。
「どうやって」
そこは天竺の途中の行く手を阻む山脈にある。
このヒマラヤ山脈の西の果てを崑崙に向えば
カラカルという高峰があり、その麓の谷間に
寺院がある。
シャングリラというその地には
一本の大木がそびえている。
その枝には赤と青と紫の実をひと房とする
木の実が成っている。
赤い実は勇気を、青い実は知性を
そして紫の実は愛を貯えている。
その三つをひとつにして酒にして
分福に与えよ。
権耳や皮蛋にも与えてやるがいい。
みなで分け与えよ。
さすれば、その呪いは解けるであろう。
「そこにはどうやって行けばいいのですか。
 未知の土地では私の土遁や水遁では
 行けません」
「この度は遁走の術を使ってはならん。
 その道行きで起きるすべてを見聞しておかねば
 再び帰ってはこれない。
 天津に茄斗というわしの弟子がおる。
 その者に鳳凰を借りて行け。
 わしはかつてその地シャングリラに行った。
 その鳳凰にのって帰ってきたのだ。
 鳳凰はその道を知っている」
「お師匠さんも一緒に行ってください」
「一度その地に行ったものは
 二度と再び行くことは叶わないのだよ。
 わしから預かっている鳳凰だ。
 訳を話せば茄斗は快く鳳凰を貸すだろう」
「シャングリラ・・シャンの山の峠」

「ええっ、天津!」
「ペンピン?」
「天津といえば、甘栗やんか!」

その一言で天津行きは即決した。
まず、天津の茄斗という若い仙人を訪ねる。
そして鳳凰を譲りうけ桃源郷を目指すという。
禁断の木の実を求めて。
「ピペイポ」(知性を⇔権耳)
「勇気を」(皮蛋)
「そして愛を!」(分福)
「なんかオズの魔法使いみたいだなあ」

徐福のもとを後にして三人は三日三晩歩いた。
「ヒーッ、づがれだああああ
 なんで土遁使わへんのクタクタや」
「この旅では遁走の術は使っては行けないんだ」
「天津まではええんと違うんか」
「そうでござるぞ」
「ポッパパア」
「そうはいかない。旅はもう始まってるんだ」
「あっ、誰かこっちに向かってくるで」
「なんか大人数やで商団かいな」
ヒッチハイクしてこう」
「ええっ、いいのかなあ」
「ええやん見聞してたらええんやろ」
「おーい」
「分福あかんで、お色気作戦やないと」
「どっからだすのん」
「ワテにまかさんかい」
「難儀なこっちゃなあ」
「うっふーん」
「プップーン」
「こら権耳マネすんのやめな」
「ほーら効果抜群やで」
「なんか取り囲まれたみたいで・・これって」
「山賊やありゃしへんか(汗)」

四人は山賊に捕らえられてしまいました。