あかんたれブルース

継続はチカラかな

ジャンゴのさすらい



トリックスターさんが『続荒野の用心棒』を
紹介していまして、この作品の主題曲の
「さすらいのジャンゴ」は
マカロニナンバーの最高傑作ではないかと
わたしは、思っています。
出だしのギターがハートわしづかみなのだ。

で、このジャンゴという主人公の名は
天才ギタリストのジャンゴ・ラインハルト
からだそうです。なるへそ
劇中のジャンゴも右手を潰されますが
ジャンゴ・ラインハルトも火事で
左手の薬指と小指に障害をもっていました。
ガンマンにしてもギタリストにしても
致命的な障害だよね。
医者は無理といったけれど
練習と独特な演奏法でそれを克服した。
メロディを弾く時は主に人差し指と中指で弦を押さえ
薬指と小指はコードを弾く際に用いる程度。
こんな感じ
https://www.youtube.com/watch?v=njtr-EN1E0o

ベートーベンが耳が聴こえなかった
っていうのはよく知られています。
幕末最強の剣士伊庭八郎は片腕だった。
野口英世はテンボウとからかわれていたし
山下清は知恵遅れだった。
ホーキング博士も重度の障害者だ。

本来ハンデになることが
それがゆえに力を発揮しちゃうことがある。
人間って不思議だね。

平等や公平を叫ぶ世の中ですが
実際にこの社会にそれはない。
また、叫ばれる平等や公平の意味も
ちょっと違っているようにも思ったりする。

明治時代に世界的な名著『自助論』が
日本でも大ベストセラーとなりました。
そのときのタイトルは『西国立志編』だった。
その頃の日本人にとっての立志は
立志伝中の人物という表現が物語るように
事業的な成功者を意味していたようです。
つまり平等や公平には
成功するための均等なチャンスを意味してる
のかもしれない。

さすらいのジャンゴ・ラインハルト
旅芸人一座のなかで生まれ育った。
ヨーロッパの差別にはユダヤ人以外に
ジプシーという存在があります。
定住しない放浪の旅人たち・・・さすらいだね。
ジャンゴはそこで
アカデミックでも趣味でもない
芸としての音楽を学んだわけです。
貧困のなかで磨かれていったチャップリンとも
似た環境だったんでしょうねえ。

泣くな小鳩よ嘆くでない。
その障害が力になるときもある。
決してきやすめではなく