その頭山満から洗い髪のお妻を奪ったのが
家橘という歌舞伎役者。
後の十五代市村羽左衛門です。
歌舞伎ファンなら御存知でしょうが
当代随一のイケメンでした。
なんたって、ハーフだったんですから。
父親はフランス系アメリカ人で明治政府の外交顧問だった
チャールズ・ルジャンドル将軍。
母親は松平慶永の庶子池田絲(糸)。
庶子とはお手つきの子、私生児です。
慶永とは福井藩主の春嶽のこと。そのうち『龍馬伝』にも登場するでしょう。
こういったハーフは役者に貰われていったんですね。
たしか妹もいたはずです。美人だった。
桂太に囲われたお鯉こと安藤照子も
若い頃にこの市村羽左衛門をめぐって張り合ったそうです。
当時の売れっ子芸妓にとって役者を色にするのはステイタスだったんですね。
相撲のタニマチみたいなものだたんでしょう。
つまり歌舞伎役者はホスト。みたいなもの。
市村羽左衛門の次世代なら「われらのテナー」藤原義江と
なっていくのかな・・・
こちらは大正に時代が移ります。
分類は「役者」
明治男前烈伝(9)市村羽左衛門