男の視点、女の視点は別として、私たち自身の話として、
誰に成りたい?という質問をされたとしたら。
そう、集英社の三国志いやカムイ伝、若しくは忍者武芸帳のキャンペーンのキャッチコピー?
「彼のようになりたい」の人物こそ、志村喬ですかね。
御存知、『七人の侍』の勘兵衛です。
この映画の志村喬は格好良かった。
「七人の侍」たち
菊千代・・・三船敏郎
勘兵衛・・・志村 喬
七郎次・・・加東大介
勝四郎・・・木村 功
平八・・・千秋 実
久蔵・・・宮口精二
五郎兵衛・・・稲葉義男
でもね、私達の時代の志村喬って、物心ついた頃から爺様役がほとんどで、
なんか唇の分厚い屁の突っ張りにもならない堅物良識派ってイメージでしたよね。
東映の任侠路線でも善玉親分が定番。そして殺される。健さん怒る。殴り込み。
でも『七人の侍』は違ってた。だって、奔っているんです。
高校の頃、水曜ロードショーで初めて観て、上京して銀座の映画館でリバイバル観賞。
その時が20代後半か30代前半か?
しかし、憧れるのはいいとしても、勘兵衛・志村喬にはなかなか成れない。
そんな話をよく辰雄さんと飲んで語ったものです。
彼は言う。「オイラは万年、木村功ですよ」と。うーん、情けないけど分かるなあ。
「オイオイ、そんな情けないこと言うなよ。十九二十歳じゃないんだし、
せめて千秋実ぐらいはあるだろう」(全然フォローになってない)
いや、自分はまたく木村功ですと、今日は妙に頑なな辰雄さんでした。
そういう、俺は、、、? 菊千代、だよなあ。はは
まあ、これはあくまでも酒場の与太話ですよ。
宮口精二じゃあこの世の掟の会社が違うし。
志村喬は無理としても稲葉義男か加藤大介とか下駄を履かせられないか、、、無理だな。
そんな30代前半だったような気がします。
二日酔いの朝、国道246号線をぬったぬった歩いて、
あんなストイックな生き方なんて俺にはできないよ。と、途方に暮れたものです。
弱虫で狡くて可哀想な百姓を助ける七人の勇者を想い浮かべると今でも胸と目頭が熱くなる。
今の世の中みんな山形勲だもんね。(劇中そんなバカな話に乗れるか!と怒った侍)
辰雄さん、あれからまた十余年、俺達は七人の誰かに成れてるんだろうか?
志村喬は格好いい。
写真は「七人の侍を語る」より拝借
真ん中が志村喬と木村功、そしてぶっ飛んだ菊千代は三船敏郎
下は奔る勘兵衛・志村喬。また負け戦でしたが最高のリーダーでした。
http://www.coara.or.jp/~otsu/samurai.htm