あかんたれブルース

継続はチカラかな

毎度お騒がせ大日本正義団

村山さん、弾はまだ残っとるがよ(16)


昭和に入ってから朝日新聞主筆を張った緒方竹虎
その緒方を支えていた社会部出身の美土路昌一
二人ともなかなか剛毅な漢なのですが、
その美土路昌一に心服していたのが
大阪ミナミの博徒、酒井栄蔵親分。

錦筋のやくざだよ(汗)

この酒井は大日本正義団という右翼団体の総裁でもあった。

大日本正義団・・・

と聞いてピンとくる人はわたしと同類の筋オタク。

あの鳴海清が所属していた組織です。
鳴海清とは山口組VS松田組の大阪戦争で
松田組系大日本正義団吉田芳弘会長の仇討ちに
山口組三代目田岡一雄を襲撃し負傷させたベラミ事件の犯人。
その後、逃走し全国に指名手配されたが
身元が判明できないほどの壮絶なリンチを受け、
六甲山中で腐乱死体で発見された。
犯人は山口組関係者ではなく、同じ松田組関係者だったとか。

あの大日本正義団?

右翼団体だったそうですが、この初代会長で
大阪戦争で大阪の日本橋で殺害された吉田芳弘は
昭和18年1月3日、東大阪市で生まれ。

ということは、この酒井の大日本正義団と
松田組内大日本正義団は別モノか?

吉田・大日本正義団の発足時に
京都の中井宮司という人物が顧問をしていた。
この人物は70年代安保闘争
極右学生育成に努めた活動家だったという。
この中井さんが酒井の大日本正義団の流れを汲んでいたと
推理してみるのが妥当ですかね。
(どなたか情報あったら教えてください)


因みに大日本正義団の二代目を継いだのは
故吉田芳弘の実弟吉田芳幸氏でこんな本を出してます(汗)
『武闘派ヤクザが見た地獄と天国―
 昔ヤクザが今はキリストの伝道者』

たしか巻頭にカラー口絵で微笑む刺青オヤジ軍団が(汗)
バックに十字架があったような?
不思議なシチュエーションだった。
本屋で手にはしたけど買わなかったよ(汗)

この大阪戦争は山口組の一方的勝利で終結しますが、
仲裁をめぐって、山口組大幹部最大勢力を誇ったボンノこと
菅谷政雄が三代目の不興をかう・・・
これが北陸の帝王こと川内組川内弘組長殺害事件に発展。
菅谷は山口組から絶縁処分を受ける。

また、菅谷の舎弟で最後の博徒といわれた波谷守之は
大日本正義団を引き取っている。
波谷は広島呉市阿賀出身で仁義なき戦いの美能幸三と兄弟分。
広島抗争和解させた人物です。
そして、波谷組は単独で山口組との山波戦争を起こてもいる。

因果だねえ・・・


美土路昌一は岡山出身で、酒井と同郷なのだ。
身長は小さいけれど、
心臓に毛の生えたような度胸の持主で
「タワシをむき出しにしたような神経の持主」と評された。
無神経な男じゃない。むしろその逆なくらい。

博徒の酒井が惚れこむような、
新聞記者やってるのはもったいないような(笑)。
ま、朝日退社した後、全日空を創った人物ですからね。
で、酒井は兄事する美土路になにかと人生相談をしていた。

あれは満州事変の年ですから昭和6年の春先の頃
二月の末頃です。
東京朝日新聞社の美土路を酒井は訪ねて

「兄貴、この度国会を襲撃してクサレ外道を殺っちゃろう
 思うちょるんじゃが、どがなもんじゃろうか」

一万人を動員し国会を占拠し各政党本部首相官邸を爆破する
という計画を漏らした。

これは昭和6年の三月事件の計画じゃないか!

大日本正義団って・・・