あかんたれブルース

継続はチカラかな

よい欝とわるい欝?



先週のNHK大河『花燃ゆ』で
野山獄に収監された吉田松陰と富永有隣の間で
激しい論戦が繰り広げられました。
簡単にいうと性善説性悪説

今様では悲観的は知的で楽観的は粗忽者だ。

吉田松陰という人は決定的に性善説論者で
常に前向きというか楽天家なんですね。
昨日の記事でいう軽躁。もしくはもっと躁
だったのかもしれない。
このカリスマ性が松下村塾で塾生に影響を与え
のちの明治維新の原動力となる。

以前、やまさんがいってましたが
実業界とかでのやり手という人たちは
躁鬱の気があって、その躁状態をうまく使ってる
といっておられた。さもありなん
じゃないとやってられない。

じゃあ躁はクリエイティブで
欝はだめなのか?
そんなことはないんでしょうねえ
陰陽学でいうと陰が欝で陽が躁となり
これは呼吸でいう吸引と発散ですから
両者がかみ合ってはじめて成立つ。
ず~っと欝ず~っと躁なってことはない
それが堅調な場合が病気とされるんでしょう。

前出の松蔭だって凄まじい(学術)吸収力を
発揮している。狂人的ですが。
この狂人の「狂」でさえ、幕末の頃は認められてた。
狂の思想というのがあった。熱狂ってやつだ。
だから山県有朋は山県狂介と名乗った時期もあった。
これも松蔭の影響でしょう。

ただ、どんなものにも良し悪しがあるように
躁にも鬱にも
良い躁と欝、悪い躁と欝があるんでしょう。

人間の性質は過剰(暴走)と比較思考だ。
躁が過剰暴走すると始末が悪い。
戦前の軍人や国民がそうだった。
軍人でいえば辻政信なんかがその代表格
といわれていますが。
人間だけでなく国家とか時代も同じです。

じゃあ悪い欝ってなんだろう?
ひとことでいえば出口がみいだせなくて
「閉塞感」に苛まれるってやつですかね。
以前10年以上新聞社系の出版社の仕事を
していたのですが、彼らは給料もよくて
30歳前後で年収1000万円もある。
(20年ぐらい前の話)
名刺の肩書きも一流で取材もラクラク
自然ブランド意識も強くなる。
そのくせ飲みにいくと始終愚痴ばかりだ。
会社に対して上司に対して同僚に・・・
じゃあ辞めればと水をむければ
そこはそこ煮え切らない。禁句です。
端からみれば贅沢な悩みなんでしょうが
当人にとってはジレンマなんでしょうねえ
石のうえにも三年とはいうけれど
その三年で精神を病んでしまう人が多かった。
カラダ壊すくらいならとは思うけれど
それは結果論なんでしょうねえ。
恵まれたゆえの落とし穴としかいいようがない。

こういうのは彼らだけに限ったことではなく
豊かになったといわれる日本人全体に
いえることだったのでしょう。
正しいかどうかわからないけれど
先が見えすぎるっていうのも不味いのかも

人間をS系とM系に分けたとき
「ややMっぽい人」っていうのが
成功するそうです。
気分基調も「やや軽躁」の人のほうが
いいのかなあと思ったりする。