「おそめ」から(6)
東三河通信さんからのコメント
>おんなを食いものにするだけの男なら話は分かり易いんですけどね。
そこですよね。
そこがこの本の面白いところです。
俊藤浩滋と妻・おそめ。
後年、二人は俊藤の強い要望で籍を入れます。
周囲は財産の問題を危惧する。
俊藤という男の不徳の致すところ。では、ありますが。
おそめは一旦、籍を入れますが、俊藤が死去すると籍を抜き旧姓に戻す。
ここに「墓」の問題がありました。(本文中でも指摘)
彼女の母親は嫁ぎ先の商家で理不尽な扱いを受けて、幼子二人を伴い家をでました。
この母親の入る墓は新たに作らなければならない。
そこに、二人の娘も入る。離散した家族がひとつに肩を寄せる。
お墓の話は若い方にはピンとこないかもしれません。
長子でなければ新たに墓は作らなければならない。
私の女友達に一週間で離婚した豪の者がいます。
男勝りで陽気に酒を煽っていますが、酔いがまわってきた午前2時32分頃。
しみじみと墓の話をします。
彼女と同じ境遇の仲間たちと共同購入するのだと言ってました。
結婚しない子供のいない女性は多いです。
私の両親は20年前に離婚しました。
その判子を母親に押させたのは私です。
昨年の秋、私は両親を復縁させました。奔走して判子を押したのも私です。
色々な理由がありますが、墓の問題が大きかったと思います。
妻の実家の墓の斜め後ろに私の墓があります。
ここに、両親が入り、私達が入り、Kちゃんがみます。
その事に意義を唱える者はいないはずですが、双方の親戚一同は猛反対。
余計なお世話ですね。
それでも、おそめの本音はこの世のしがらみとは別に、
本音としては、俊藤と一緒の墓に入りたかったのではないでしょうか。
それを俊藤も望んだと思います。二人は夫婦です。
夫の女道楽を毛嫌いして、頑なに拒絶した
勝海舟の妻とは話がまったく別ですね。
夫婦も色々、人生色々