あかんたれブルース

継続はチカラかな

話し上手は聞き上手

コミュニケーション(6)



 ブログで、ある友人はコメントが苦手だとこぼします。
 また、ある友人は人と話すのが苦手だと嘆きます。

 確かに言葉と言葉のキャッチボールですからね。
 上手に気持ちを伝えられることは大切です。が、どこかで

 コミュニケーションは伝えることに比重がおかれているのかな。

 司馬遼太郎は「座談の名人」と言われました。

 あの膨大な知識を有する巨人が静かに「余談だが、」となれば
 誰でも聞き入ってしまうでしょう。知らず知らずに街道を往く

 宮城谷昌光が憧れの司馬さんと会食したのは死去されるひと月ほど前だったでしょうか。
 そのことをエッセイに綴っています。

 彼の話に耳を傾けて、司馬さんは言ったそうです。

 「宮城谷はん、あんた勉強してなはるなあ」

 その感嘆とでもいう言葉に、宮城谷昌光は感動した。

 そりゃそうですよね。男として生まれてきて、いや駆けだし作家として、
 司馬遼太郎にそんな風に言わしめるなんて、ブラビー!です。

 司馬さんは話し上手だったかもしれないけれど、
 聞き上手だったんですね。座談の名人とはここにある。

 私たちは伝えることだけに気が入って、聞くことを疎かにしているのかもしれません。

 交渉・プレゼンテーション、説得力など、
 目から鼻に抜ける饒舌家が目白押し。雄弁家が天下を制す。てな感じでしょうか。

 でも、現実はお願いがあるのですが少々煩わしくもある。
 民放で展開される政治トークショーでは相手の言い分を言わせたら100年目。
 って感じで、たたみかけるように自分の主張で押し消そう必死。

 まあ番組の演出もあるんでしょうが、その必死に不安も感じます。

 知り合いで、まあそんなに親しくはないのですが、知ってる人で議論好きな男がいます。
 酒が入って入らなくてもオフでもオンでこれをやる。
 勝ち負けじゃないのに相手を負かすことに血道をあけています。
 
 当然、評判は宜しくないなのだけれど、これが彼のビジネススタイルで
 本人はそう信じて疑わない。

 とは別に、私たちもどこかで声の大きな者の勝ち。と考えていることもあるんでしょうか。

 ただ、それじゃあ、コミュニケーションは上手くとれません。

 伝える力以上に、聞く(受け入れる)力っていうのは大切だし難しい。

 私なんかは聞いてるうちに、そんな気がしてくるし、
 そうじゃなかったら面倒臭くなって、「そうですね」と相づちを打っちゃうもんね(汗)。

 歴史「2ちゃんねる」の遣り取りは「相手を言い負かす」事が目的のようです。
 そこでの武器は知識。
 世知がない世の中といってしまえばそこまで、ですが、
 何かに怯えて必死に喋り続ける図は悲しくもある。

 本当の話上手は聞き上手。

 一番いいのは両方兼ね備えていることなのでしょうが、
 少なくとも、聞き上手の人のほうが一歩秀でていると思います。
 みんな話したがっている。

 だから、
 話し下手さん、自信を持って!