先週の土曜日。
晩の10時からNHK総合で『坂の上の雲』の番宣をやっておりました。
スペシャル大河としてオンエアは来年の秋。まだ1年半もある(汗)。
待ち遠しいなあ。。。
一話90分で合計13本。90分なら映画なみ。期待は膨らみます。
番組では広瀬武夫のロシア留学のロケの模様が紹介されていた。
な、なんという! 『戦争と平和』を彷彿させるような宮廷舞踏会!
これだよ(涙)。原作ではこの華やかさがいまひとつ実感できなかった。
映像の力は凄い。
おお、広瀬の恋人アリアズナ。ロシア社交界の華。なんと可憐で美しい。
広瀬はね、モテました。
老若男女多分動物にも。アリアズナの父親はロシアの高級軍人ですが、
その父親にも愛された。人種差別なんてもう関係ないんですね。
みんな広瀬のことが大好き。
おや? 広瀬の後ろに片岡鶴太郎? まさか、、、。もしや。。。
!
やっぱり(愕然)。
『坂の上の雲』の主人公のひとり秋山真之(本木雅弘)を
広瀬に紹介した共通の先輩恩師、八代六郎。
八代を演じるのは片岡鶴太郎なのか。。。
なんかもう少し深みのある役者に演じて欲しかった(涙)。
鶴太郎には悪いけれど、せめて西田敏行とか、中村梅雀とか。。。
『異人たちとの夏』の鶴太郎は好きでしたよ。お笑い芸人だけど演技は巧い。
でも軽いんだよね。とくに書画をはじめてからなんか距離を感じてしまった。
仕事で書道家の先生なんかと雑談するとき、
馬太郎さん、片岡鶴太郎の書をどう思われますか?
とよく聞かれます。
口ごもってしまう。その質問の意図は、一様に彼の書に対する不満です。
器用過ぎるんだよね。
書を極めた段を超え師範としてプロである先生達の不満。
私の意見を述べると、みなさん満足されます。でも、
なんか後味が非常に悪い。
昔、鶴太郎がお笑いから役者に幅を広げ、いや転向といってもいいでしょうか?結果的には。
そして、書画が評価されてきた頃。
ビートたけしが痛烈に批判していた。
「勘違いしてるんじゃない」と。
そこまで言うこともないのになあ。おなじ浅草の芸人じゃないかあ。
とも思いましたが、言わんとすることはよく分かった。
その定評ある演技にも、やはり深みは出てこない。
「笑顔」が嘘っぽいんだよね。
よりによって、八代六郎かあ。微妙
この八代六郎は海軍士官になれなかあったら博徒(やくざ)になる
つもりの人でした。
以前、ここで紹介した自由民権運動とやくざの暴動「名古屋事件」で
彼の兄も関係している。その関係・環境からなんでしょうかね(汗)。
とっても気持ちの良い人で、仁侠提督といっていい。尺八の達人(笑)。
若い学生だった安岡正篤と議論で負けて、終生彼を「先生」と呼んだ素直な人。
山本権兵衛内閣を揺るがした海軍疑獄「シーメンス事件」で毅然と後処理を
やった正義と清廉の海軍軍人。
八代六郎は深くて広い海の漢。美しく生きた人でした。
鶴太郎、そこをしっかり噛みしめて、頑張れよ。
期待しているから。