昨夜、『ニモ』やってましたね。
二回目だけど、とても面白い。家族で楽しみました。
とくに、忘れん坊の気のいい女(魚)「ドリー」が圧巻。クラクラしちゃう。
今の世の中って、「父性」を体現しづらい環境ですよね。
「父性」というものを考えさせられます。
この作品を推奨してくれたのは辰夫さんでした。
その頃、彼は離婚調停の真っ最中。
寄りを戻す以上に気を揉んでいたのは
愛おしい一人娘との別れだったようです。
彼の娘さんはKちゃんよりも一才年長さんで、
それまでお互いの子供の成長を顔をほころばせて語っていたのですが、
世の中は、ああ無情です。
『ニモ』は彼と娘さんと観た想い出の劇場映画なのだそうです。
馬太郎さん、是非観るべきです。とても感動しました! と言ってました。
その後に離婚が正式に決まって、
子煩悩だった辰夫さんは週一回という条件付でしか
娘さんとの接点を持てなくなってしまう。
どんな気持ちで『ニモ』を観たかね。
それから一年か二年してからの彼からのメール。
娘さんとの週末デートで上野の美術館に行ったそうです。
ちょうど「ピカソ展」をやっていた。
彼も忙しいし、養育費も払っているから経済的にも厳しい。
時間と体力と財布を気にしながら出来ること、頭を捻っての企画だったとか。
それでも娘さんはとても喜んでくれたそうです。
小学校3年生の娘がねぇ。
それが5月の連休だったか夏休みだったか。
学校で、その休みに何処に行ったかという発表会がクラスであったそうです。
ディズニーランドとか海外旅行。
でなくても国内温泉旅行とかさ、まあ色々じゃないですか。
辰夫さんの娘さんは
「私はお父さんと『ピカソ展』を観に行きました」
と胸を張って発表したそうです。
そしたら、クラスメートが羨ましがったそうで、
意外だったんでしょうね。定番じゃなくて。ありきたりじゃない。
まあ、ピカソっていうのが小学生にウケたっていうのもあるでしょう。
「○○ちゃんのお父さんで凄いね」っていう感じで、羨ましがられた。
娘さんはそれがとても嬉しくて、
そのことを電話で彼に伝えてきたそうです。興奮気味に。
辰夫さんも、嬉しかった。
私に送られてきたメールの文面に溢れていたなあ。
私も思わず、溢れてしまった(涙)。
お金じゃないもの。
大切な人。大切な想い出。
そして、父性。
どんな環境どんな状況であろうとも、大切にしたいものです。