あかんたれブルース

継続はチカラかな

意地悪の変遷

 「イジメ」のことを考えて、
 そこから意地悪という意地の悪さにお邪魔してみます。

 日本の歴史から「意地悪」とイメージを連想するとすれば、
 「公家」さんですかね。貴族。

 源平合戦の頃でも南北朝の頃でも信長の時代でも
 公家さんは意地悪です。

 対して、武士は無学無教養とバカにされていました。
 京都人の底意地の悪さはここからでしょうかね。
 
 武家社会が確立されて元禄の頃になると、
 赤穂浪士の敵役・吉良上野介が意地悪の代名詞でしょうか。
 この方は武士ですが「高家」といって礼儀作法の大家。

 浅野内匠頭はこの意地悪にぶちキレて松の廊下で刃傷沙汰をやっちゃった。
 判官贔屓で可哀想な内匠頭という感じです。が、

 池波正太郎の「火事大名」という小編では、バカ殿様として紹介しておった。
 男色に奔って火事場騒ぎが大好きなオタク。火消しのコスプレ。

 池波さんは「鬼平」や「剣客」「必殺」が有名な様式美ストーリーテーラーですが、
 『真田太平記』なのどから発した「真田モノ」。それと「赤穂浪士モノ」などを
 丹念に資料を追って作品に仕上げていった作家でもあります。

 最近、吉良は悪い人ではなかった。とかのバラエティー歴史番組もありますよね。
 浅野内匠頭は空気を読めない「KY大名」だったのかもしれません。

 公家の意地悪に教養というものがありましたから
 吉良の「高家」というのが影響しているのかもしれません。

 歴史を今に戻せば、誰が意地悪でしょうかね。。。

 前の藝大の学長夫婦か? うちのマンションの老弁護士か? それとも。。。

 やっぱりマスコミでしょうねえ。

 持ち上げて二階に上げて梯子を下ろして、二度叩く。

 それと、ジャーナリスト出身の作家の視点も基本的に意地悪です。

 なんたんて社会正義というか体制に対する批判という大義名分があります。

 一度、明治からの新聞の興亡期を辿ってみると面白いですよ。
 三好徹の『まむしの周六』なんてオススメ! 萬朝報のお話がベースです。

 それはさておき、

 意地悪こそがインテリの証だ。

 そんな風潮がいぜん続いています。
 マスコミを批判する以前に、それを喜んでいるとみられる読者の「質」に、
 一度、腹を立ててみる必要もあるのではないかと思うのでした。