あかんたれブルース

継続はチカラかな

ゆびきりげんまん



うとうとっと、したらアッというまに一週間。
歳のせいかな(汗)。
でもなんでこんなに眠いのでしょうか?

死ぬ三年前は眠いと母親がこぼしていたなあ・・・

あれから35年。その母親も80歳(汗)。

いや、別に寝てばかりいたんじゃない。
ちょっと調べものをしていたのです。

杉山茂丸の盟友。

といっても杉山にはたくさんの盟友や親友がいる。羨ましい。

そのなかで、玄洋社の結城虎五郎。

頭山満と杉山と結城虎五郎の三人で盟約を結びました。
若い頃です。頭山が32歳、杉山が23歳、結城虎五郎が27歳の頃。

郷土の暴走を打破(抑える)こと。
天下に気脈(ネットワーク)を通ずること。
郷土(福岡および九州)の独立(経済的自立)の資源(産業)を開くこと。
地方的開発事業を起こすこと。
実社会の事物に接触すること。

この五カ条の盟約を交わし、
三人は今後一切、刀を刀を用いないことを誓い
(つまりテロ活動をしない)

太刀を用いるのに絶対必要な左手の薬指を切断したのでした。

これは、杉山の著書『百魔』と
早稲田大学法学部教授一又正雄著『明治大陸政策の源流・杉山茂丸』に
その孫にあたる杉山龍丸氏の証言としてあります。
(因みにそのお父さんで茂丸の長子が夢野久作

杉山茂丸はその死に際して、自分の亡骸を医学発展のために献体に捧げた。

杉山の巨漢の骨は東京大学医学部本館(赤門の正面)の三階の標本室にある。
その右中指は確かに欠けているそうです。
なぜ、右なのか?
標本にする際に、執刀医緒方友三郎教授が左右を間違えた。といわれる。

わたしは、一目それを確認したくて、
東大医学部の事務員さんにかけあったが、ダメだって断られた(涙)。

嗚呼、杉山茂丸様。あなたの勇姿と誠実を、わたしは確認したかった。
医療関係で東大医学部にコネのあるかた。
もしくは看護学校関係者で授業の一環としてオフィシャルに交渉出きるか方。
是非、そのせつはわたしも連れていってください(涙)。

でね、ここで問題。

前出の『百魔』の後半に結城虎五郎の段がある。
ここで結城は旧主家の貧窮に奔走し、その家宝二点をもとに借金をするために
自身の指を断つ件があります。

となると、結城虎五郎の指は二本欠けていることになる。
また、頭山は『頭山満翁一代記』で
竹を切るときに誤って切断したとあり、
杉山は杉山で、ガラスで指を傷つけたのがもとでと『頭山翁警世百話』にはある。

そうな・・・

その『百魔』に杉山と結城虎五郎との出逢いから今生の別れまでが
綴られております。

わたしは、泣いた。感動したのだ。羨ましかった。

結城は玄洋社の実業部長として、杉山は企画部長として
頭山満の股肱の臣といわれのですが、
結城は杉山に借金ばかり促します。そして杉山は奔走する。
その借金のかたに実の弟を林家(叔父さんの家)に無断で養子にまでしている(笑)。
結城の催促に四の五の言わないんだな。
もの凄い信頼関係。

一昔前「友人の保証人になったばかりに・・・」という
苦労話の発端をよく聞いたものです。
また、知り合いの福祉事務所の某さんの四方山話にも
今でもそれが故に自己破産できずに健気に苦労している正直者はいるといいます。
たくさんいる。

いるんだよ。できるんだね。それを失敗談としてはいけない。
それが出来たってことだけでも偉いし凄いし羨ましい。

他人に金を貸すな。これ、常識になっている。
別に貸すのがいいわけじゃない。そんなこと分かっているよ。
でもさ、そこにはそれなりの色々な事情があったわけだ。
私たちはその事情さえも忌み嫌って恐れるわけだ。

なんかね、映画『仁義なき戦い・完結編』での
共政会三代目(北大路欣也)の台詞を思い出した。
それは二代目(小林旭)が収監され、その善後策に奔走するなかで
江田幹部(山城新伍)にいう台詞。

「借りは貸しを生むもんじゃ、と親爺は言うちょりました」

普通、「貸し」がを重要視します。
彼奴には貸しを作ってある。なんてね。
違うんだな。それとは逆。貸しこそが信用を生む。
その貸しをきちんと返すことが信用をつくるのですね。
なんか詐欺師の手口のようですが(汗)。

でもいいじゃん。

結城虎五郎はきちんとそれ以上の額を返済したもんね。

あ〜あっ、いいなあ。
そういえば、杉山の人生は常に借金人生だったなあ。
(これが息子の夢野久作の一大事になって、
 父の死後一年で返済して急逝しちゃったもんね)

でも、いいなあ〜。

ところで、

だれかわたしに3億ぐらい貸してくれない?