『坂の上の雲』への想い
昨日の夕方、
『坂の上の雲(まるわかり)人物烈伝』の重版の知らせが届きました。
発売日が先月15日なのでほぼ半月。(実質はひと月かな?)
第一回放送の二日後にして再版なんて・・・嬉しい(涙)。
これまで初刷りでみんな絶版だったのに・・・
思えば、五年前の六月
企画に行き詰まって事務所で燻っていたのです。そのとき、
前野晴男から「馬さん『坂の上の雲』やれば」と
「えっ? そんなあ・・・できるかなあ」
その年は日露戦争勝利100年にあたって、
どこの出版社も関連書籍を出していた。
これからじゃ、遅い。
でも、『坂の上の雲』が大河ドラマになる。それを頼りに・・・
最初にやったことはもう一度読み直すことでした(汗)。
若い頃に読んだっきりだったんだな(涙)。
下準備に半年かかった。
途中の秋頃、G社に企画を持っていったけど、時期を逸してるとダメ。
それでもコツコツ草案を書き続けておりました。いつからこんなに根気強くなったのか?
コンセプトは「人」でした。
小説のなかの人物と実在の人物をリンクさせる。ポートレートを網羅させる。
『坂の上の雲』以外の関連書籍を読みあさった。
一人一章で列伝に編んで日露戦争の時間経過で繋げていく。
大長編なので、途中で挫折する読者が多いから一冊でまとめる。
教科書にしない。
できるかなあ・・・
年が明けて、徳間の力石さんからの年賀状に
日露戦争云々のメッセージが書き込まれたありました。
それを頼りに、元旦から一月二十日までに7、8人分書いて持っていった。
通っちゃった(汗)。
それから三カ月。仕事の合間をぬって書きました。
書きながら、泣いたよ(涙)。
西郷従道、島村速雄、福島安正の稿で泣いた。
勝海舟の小村寿太郎への言葉に泣いた。
秋山好古の永沼秀文への言葉で泣いた。
大迫尚敏と松村務本の励まし合いに泣きました。
旅順に泣いた。
「大迫さん、あの二〇三高地さえ取れば、あの頂上から旅順が見おろせるのです」
「松村さん、我々が皆死ねば、なんとか取れるだろう」
児玉源太郎と乃木希典の絆に泣いた。
ため息がでた。
明治の人たちは強い。そして、やさしい。
まるでお伽話のようです。
明治は遠くなったかもしれない。けれども、
彼らの強さと優しさに想いを馳せる。
歴史から学ぶとはその人たちの生き様、死に様を見据えること。
思想とか功績ではなく、進退と姿勢。そして発した言葉。
旅順に向かう児玉源太郎の左右の掌には大切なものが握りしめられていた。
相反するふたつの守るべきもの。
日本と乃木への友情です。
児玉はそれを最後まで、手放そうとはしなかった。
彼のように生きたい。彼のように死にたい。
そう思った。
旅順攻略の後、
総司令部では乃木への批判が高まっていた。
そのとき、児玉源太郎は叫ぶ。
「それでは問う
あの難攻不落の要塞をおとす極限の苦戦を
乃木以外に勝てる男はいたか!」
日露戦争とは、旅順とは、そういう戦いであり、
明治人はこのように戦った。
『坂の上の雲(まるわかり)人物烈伝』
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(アドレスが長いので記しませんが(汗))