「激動の明治に天才女形」蠢太郎は堀川辰吉郎がモデル？

孝明天皇は暗殺された。

これはほぼ確実なのだと思う。証拠を出せといわれると困りますが。
すべては状況証拠で検察側としてはつらいけど、間違いない。
としてかまわない。
これはもうトンデモ本の範疇じゃないんだ。
だから、これを頭から否定する人は、逆に歴史をあまり把握していない
ということになる。

戦後の正統な学術研究がその裏付けとなっている。
法制史の大家・滝川政二郎も毒殺説を「保証」する、とし。
昭和二十九年には歴史学者・ねずまさしが
病死説の根拠をひとつひとつ反駁し毒殺説をとっている。
御殿医・伊良子光順の曾孫にあたる伊良子光孝は光順の日記やメモから
「砒素中毒」と推定し、海音寺潮五郎もそれを認めた。
アーネスト・サトウも証言者のひとりです。

孝明天皇の存在は維新回天に支障をきたすんだよね。
じゃ、犯人はだれか？
いままで最重要被疑者は岩倉具視です。
それ以外には大久保利通、ここでも取り上げられた中山忠能も疑われた。

犯人の断定はできませんが、
孝明天皇は暗殺された。これでいいでしょう。

それが定説化しつつあるところから
天下の小学館のメジャーマンガ誌「ビッグコミックオリジナル」で
それを前提にした作品が登場したんでしょうね。たとえマンガであっても。

では、もっと踏み込んで、東（東京・皇居）と西（京都・御所）に
ふたりの帝がおわしたか、となると。
（わたしはその『蠢太郎　ＪＵＮＴＡＲＯ』の一話二話を読んでいないのですが）
だとすれば、
明治天皇はすり替えられた南朝系の皇族であり、
京都の帝は孝明天皇の実子であった。という説に信憑性はある。
ただし、
南朝も北朝もどちらも正統なわけですから
明治天皇が大室寅之祐なる非人とかまったく関係ない家系も者であった
とするのには無理がある。
そこにはそれなりの理由、必要性があるはずです。
大室寅之祐でなければならない必然性が。
また、そのために孝明天皇の実子である京都御所の帝が暗殺された、
というのも、南北朝ならぬ明治の東西朝の存在説でなくなるわけですね。
そうそう御都合主義で根絶やしに暗殺暗殺ってわけにはいかない。

明治天皇の崩御にも暗殺説はあったくらいです。
明治天皇は大酒飲みで有名でした。死因は糖尿病による尿毒素の感染症。
これは事実で、検証もされたことなので
いまさら明治天皇の暗殺説を蒸し返す必要はない。時間の無駄です。
第一、動機がよくわからない。

伊藤博文が明治天皇の従順じゃなかったような説をとなえ
実はバカにしていたというものもいますが、
それは、明治政府を近代国家として確立させるために
岩倉具視の天皇中心国家体制の確立と急進派の大隈重信の対立に
現実路線の伊藤博文が岩倉とも対立しただけであって、
伊藤は大隈も一時排除しているわけであり、決して
明治天皇を軽んじていたわけではない。

もし、仮に長州系の要人が明治天皇の出自を軽んじていたとすれば
一世代下の桂太郎や乃木希典、児玉源太郎の忠誠心はどこから芽生えたか？
桂内閣、そして日露戦争を決意させる児玉と桂のやりとりが
杉山茂丸の『俗戦国策』にありますが、それを読むと理解できます。
また、乃木希典の在り方から、そういったことは杞憂であるはずだ。
明治天皇はそんな頼りない存在ではない。

それよりも、明治天皇には従順だった政府関係者が
大正天皇に代わるとちょっとニュアンスが変わってきます。
そのへんが変ですよね。たとえ遠眼鏡であっても
そして山県有朋の皇室干渉となる宮中某重大事件の関与。ここはポイントです。
また、山本権兵衛が一度も書を贈っていない。ちょっと不遜じゃないか？

そして、堀川辰吉郎に対する皇室関係者の慇懃さは、どうだ。


堀川は京都の帝の子ではなかったのか？

『蠢太郎　ＪＵＮＴＡＲＯ』の主人公蠢太郎は役者ですが
そのキャラクター設定には堀川辰吉郎のイメージを重ねたのでは
ないのだろうか・・・
なんてね。

堀川の銀行口座には彼の存命中は常に一定額が毎月振り込まれていたそうです。
いくら使っても翌月には使った分が補われていた。
そのお金って誰が振り込んでいたんでしょうかね？
堀川の死後、ぱたっと途絶えたそうです。

すこしお金の線から攻めてみましょうかね・・・



分類は「若宮」
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