あかんたれブルース

継続はチカラかな

フェアな国民性



ヒロシさんから「対華二十一ヶ条要求」というキーワードをいただきました。

これは第一次世界大戦に関連して
(日本は連合国としてドイツ領の山東省・青島を攻めた)
中立国清国に突き付けた、所謂「不平等条約」です。

日本の明治時代は不平等改正が国是だった。すべてはこれなのです。が、
先進国の仲間入りをはたす(その課程で)、韓国や中国に対して
逆に日本がそういった不平条約を締結させていきます。
皮肉です。しかし、それを国益として、日本の安全保障と考えた。

軍部がやったんじゃない。政党政治がそれを押し進めた。ここがミソです。

だから、日清戦争の後に荒尾精が清国から賠償金や領土を獲ってはいけないと
訴えても聞かなかったのは、軍部だけじゃなくて
政府や政党や民意によるものということを私たちは知るべきなのですね。

そして、東アジアの同胞意識はやがて差別意識が高まって疑心を生んでいく。
これは日本だけが悪いわけじゃないんですよ。
韓国にも中国にも原因と責任はある。それはそれとして、だ。

袁世凱は歴史上の人物として悪役です。
わたしは好きこのんで袁世凱を擁護派するわけじゃないのだけれど、
袁世凱は日本と日本人を信頼した。これは事実だ。
歴史研究家はそれを「利用した」とするけれど、
確かにそれもあっただろうけれど、信用したんだ。

それがこの「対華二十一ヶ条要求」で吹き飛んでしまった。
だけでなく、袁世凱の政治生命さえも奪ってしまった。
引導を渡した。ようなものです。

中国をまとめるのは難しい。覆水盆に返らず

欧米列強に対抗する。それには日清韓の団結が重要。これを唱えたのは
幕末の薩摩藩主の島津斉彬でした。これは日本の国家戦略でもあった。
それには清国と韓国の自主独立と安定が必須でした。
なにも最初から日本が侵略を目論んでいたわけじゃあありません。
そんな余裕なんてない。

それまで清国や韓国は日本に対して「誤った優越感」を持っていた。
それが日清日露の戦役で払拭された。はいいけれど、今度は日本が
「誤った優越感」を持ってします。厄介な問題です。

そんななかで軍部と一線を画した外務省の姿勢はある意味で
冷静な国際感覚のフェアなもののように感じるでしょうが
そこにも時間軸の「優越感」と欧米諸国の顔色を窺いつつ国益を優先する
綱渡り的な危うさがあります。なんといっても政党の思惑が働いていた。

幣原外交のそんな環境のなかの外国選択だった。

そんななかで、冷静に現実的に捉えていたのが
満州事変の主役の石原莞爾
張作霖爆殺の企画者佐々木到一(第三期支那通軍人)ですからねえ(汗)。
現代のイメージで、こういった眉をひそめる軍人だったなんて誠に皮肉でしょ。

また、右翼とか国家主義とかいって恐がる頭山満玄洋社
最初から最後まで中国支援で通し続けていた。内田良平も同じ。
だから、彼らを軍部とつるんだ右翼と一緒にするのはおかしいのだ。

花田仲之助がこの世で一番大切なのは「誠」と「信」だといった。
こういったことを非現実的な理想論と考える人は多い。
でもね、そうじゃない。
たとえていうならばこれは「愛」です。

お互いが抜け目ない損得感情だけをあらわにしたら疑心も生まれる。
相手の欠点問題点だけをあげつらって優越感をもてば疑心は育まれる。

国力というものを削ぐ、一番の弊害はこういった差別意識にある。
そのことに気づかない。これが歴史を学んでいたいということです。
後講釈でレバとかタラとかそんな死んだ子の歳を数えることが
歴史を学ぶことじゃなないいだ。

現在でも韓国人は韓国人どうして差別している。
その階層は本国のなかでもありますが、韓国人が在日韓国人に対する差別。
そして、その下には中国系朝鮮人民族に対する差別。
そして日本に出稼ぎにきている者への差別と、奇妙なカースト制があるそうです。
結局、あの国が国家統一できない本当の理由がこういった
「差別」意識にあると、わたしは考える。

だからね、奇妙な陰謀説を持ち出して
日本人どうしのなかで、帰化人系だとか朝鮮系だとか在日だとか
なんだかんだ選民意識を煽って「誤った優越感」を流布させる輩こそが
問題であり、もしかするとそれこそが煽動たる陰謀なんじゃないかと
危惧したりします。

信用というものを構築するのは大変だと思う。相手のあることですけどね。
そんななかで、ヒロシさんの「ヒロシ サッカー日本代表惜敗」の記事。
http://blogs.yahoo.co.jp/ureeruhiroshi/61038278.html
わたしはサッカーはあまり詳しくないけどワールドカップぐらいは観ます。
この試合は旅先の旅館で最初から最後までテレビ観戦しました。
よい試合だったと思う。

そう感じたのが韓国人や中国人の同じだったことが嬉しいです。
誤魔化せないものがある。
こういったたかだかスポーツでも信頼を得る重要な手立てなんだなあ、と。

思いだしてください。
日本が最初に世界に中国に認められのは北清事変の北京籠城の
柴五郎が指揮した日本兵と民間日本人義勇軍の勇気と誠実だったじゃないか。

だから、日本人は誠実と信用をもっと重んじなければならない。
フェアな国民性をもっと世界に伝えるべきであり、
常日頃そう在らねばいけないと思うのです。
これは決して綺麗事ではなく、現実的な話として、です。